 
                現在、保護どうぶつチームは5名で活動しています。
それぞれの経験から「不幸な犬猫たちのためにできることはないか?」という思いで集まっています。
2021年と2022年にメンバーのインタビュー記事をブログに掲載しました。
当時のブログはこちらからご覧ください。
社員インタビューその1 Sさん「保護猫活動をゲットイットでやろうと思った理由」
社員インタビューその2 Yさん「猫とお酒には感謝しかない」
さて、久々の社員インタビューです!
今回はインタビュー形式ではなく、本人が書いてくれたエッセイがありますので、その一部をご紹介します。
メンバーのY・Tさんがある保護猫と出会った体験談です。
並ならぬ献身的な愛で1匹の猫を幸せにしたY・Tさん。どうぞお読みください!
※以下の文章は2022年10月時点のものです
猫好きになったいきさつ
  身近には常に猫がいました。
  とくに祖母が猫好きで、母の実家に帰省すると田舎の一軒家にいつも猫がいて、一緒に遊んでいたのがきっかけだと思います。
  また、猫をペットショップで購入したり人から貰ったりしたことはありません。今までの猫は全て、実家の庭にいつの間にか居着いたとか、いじめられて逃げ込んできたとか、臨月で産む場所を探して軒先にたどり着いたとか、そんな子ばかりでした。
 
現在の我が家の猫について
拾った時のこと
  21年前のある日の午後、ふだん通勤に使う道の車道に、親に見捨てられ瀕死の状態でうずくまっていました。生後1~2か月でしょうか。近くを柴犬が散歩で通りかかったのですが、凄く賢い犬で、車道に出てしまう猫をくわえて歩道に置き直していました。でもまた、すぐに猫は車道に戻ってしまいました。
  
  「このまま放っておいたら、明日までにきっと車に轢かれてしまうだろうな。このまま見なかったことにして家に帰ったら、ずっと後悔するだろうな」と思ったら、思わず拾い上げてリュックに入れていました。
  ですが、拾った瞬間に「こりゃ大変な猫拾っちゃったかも」と思いました。
  
  ・顔の半分が、目ヤニと鼻水と何かのかさぶたに覆われて視界も確保できない状態になっている
  ・手足が妙に曲がっている(のちに栄養不足から来るクル病と判明)
  ・持ち上げたら、ノミやら何やらの大量の虫がいっせいにワラワラと逃げ惑う
  
  とりあえず家に持ち帰り、近所の獣医師に診せた結果
  
  ・体内に寄生虫3種類
  ・クル病
  ・口の中が口内炎で腫れあがっていて、このままでは食事が喉を通らない
  ・顔を覆うかさぶたを無理に剥がすと、眼球も一緒に引っこ抜ける、少しずつ柔らかくして時間かけて剥がすしかない
  
  ということで、
  
  ・点滴だけで数週間生きながらえさせ
  ・蒸しタオルを顔に当ててかさぶたを少しずつ柔らかくして剥がし
  ・インターフェロン、プロポリス、虫下し、その他、まるで人間並みの薬を数種類投与
  
  という治療を施し、2~3ヶ月かけて健康体に戻しました。
  最初は治療費のカウントをしていたのですが、30万円を超えた辺りで怖くなりそれ以上カウントするのはやめました。
  
  ほぼ健康体になった頃の写真をご覧ください。
  
 
元気になり過ぎてマンション(6階)のベランダから落ちる
  元気になったのはいいものの、赤ん坊の頃に危険な時期を経験した反動からか、とにかく食い意地が張る、駆け回って暴れる、ずる賢い(キャットフードを一袋、ひそかにコタツの中に引っ張り込んで隠れて食べる、等)ヤツに成長した太朗ですが、ある夜帰宅すると、妻が泣き腫らした目で「太朗がベランダから落ちちゃったの」と言ってきました。
  
  聞くと、うっかりベランダに出るガラス戸を開けていたのに気づかず、はしゃいで調子に乗った太朗が駆け回ってベランダに出て、ジャンプして手すりに飛び乗り、足を滑らせてそのまま1階駐車場のコンクリートまで落下。猫の本能で回転して、足を下にして着地したものの、当然骨折して腹ばいのまま動けなくなっていたそうです。
  
  慌てて抱え上げて部屋に運び、深夜でも外来受付のある動物病院を探している間に、動ける足だけ動かして這いずってトイレに入り(そんな姿になってもトイレだけはきちんとする子だった)、真っ赤な血尿をした時には、妻は号泣しました。
  
  区内にある一番大きな総合動物病院の緊急外来にタクシーで運び込んだところ、「一晩お預かりして様子を見ますが、今夜がヤマで、もし動脈が傷ついていて大出血したら難しいでしょう」と言われました。帰宅したものの一睡も出来ずに過ごし、翌日聞いた診断結果は
  
  ・前脚1本、後脚1本、骨折
  ・腰骨骨折
  ・全治どれくらいかかるかは不明
  ・折れた骨が繋がらずに予後が不良なら、脚は切断するしかないかもしれない
  
  …というものでした。
  
  猫の脚は細すぎるため、骨を固定する金属製のロッドは脚の外部に添えて内側に櫛状のピンを刺して補強し、まるでロボコップみたいな外観の上から包帯でぐるぐる巻きにされてしばらく入院していました。
  
  幸い危惧された大出血もなく、骨も無事つながり、入退院と手術を2~3回くりかえして半年ぐらいかかったもののなんとか退院したのですが…
  
  その間が、大変でした。何がって、人間側の生活のほうが。
  
  そのころ、ボク無職だったんですが、人間並みの治療費がかかるうえに全て自費。つまり、人間でいう総合病院に入院・手術・通院して全て自己負担、という状況に置かれてしまいました。治療費はまた途中まで集計していたけど、100万を超えたあたりで嫌になってやめました。
  
  その後も色々とトラブルは続いたのですが(思い出すのがつらいので割愛)、結局、五体満足に回復して(ちょっと歩き方が内股になったくらい)以来、18年。いまや21歳、人間で100歳超えですが、いまだに妻のそばでは子猫のような甘えん坊ぶりで、我が家では「ベテランの子猫」と呼んでおります。
 
   ちなみに、ARK(※)でお馴染みの、コイツです。
    *ARK=ゲットイットの倉庫の一つ。入口の顔認証システムに太朗くんの写真が使われました。
*ARK=ゲットイットの倉庫の一つ。入口の顔認証システムに太朗くんの写真が使われました。
   
   老猫なので最近は寝てばかりいます。
    
  
なんと23歳の超ご長寿!
※室内飼育の猫の平均寿命は16歳。23歳の猫は人間に換算すると108歳。
高齢にもかかわらず毛並みはフワフワつやつやのままで、画像ソフトのAIにかけたら「子猫」と判定されたほど若々しい子だったそうです。
ひとえにY・Tさん夫妻の愛があったからだと、このエッセイを読んで納得しました。
Y・Tさんは後日、自宅に余ったキャットフードやペットシーツやタオル類を、保護猫ボランティアにたくさん寄付されました。
保護猫たちはもちろん、太朗くんもきっと喜んでいますね♪

 
				 
					 
                 
                


