東芝デジタルソリューションズ(以下、東芝)と東芝ITサービスは、社会インフラをはじめとする長期安定稼働が求められる領域で、東芝グループの保守ビジネスを支えています。近年、メーカー保守終了(EOSL)後の継続利用ニーズが急増する中、「新品へのリプレイス」と「延命要望」の板挟みとなり、多様化するお客さまのご要望に十分に応えきれない懸念が生じていました。
この課題を打破するため、両社はゲットイットと連携し、メーカー品質基準を満たした新たな第三者保守スキームを構築しました。単なる延命措置ではなく、次期システムへ安全につなぐ「戦略的な時間確保」へ。本スキームを主導した東芝の清水さま、東芝ITサービスの中小原さま、井手さまに、導入の経緯と変革についてお話を伺いました。
依頼の「仲介」から「主体的な提案」へ。意識改革がスピードを生む
ーーまず、皆さまの役割と、今回のスキーム構築に至った背景を教えてください。
清水さま:私は東芝でインフラシステムの保守契約と管理を担当しています。保守の実務は東芝ITサービスさんに委託していますが、お客さまとの契約窓口は私たちが担っています。
ここ数年、私どものもとに寄せられる保守依頼のうち、第三者保守の割合が急激に増えてきました。従来は、お客さまからの要望をそのまま東芝ITサービスさんへ流す「仲介役」に徹していましたが、営業現場の対応負荷が増え、結果としてスピード感を欠く要因になっていました。
ーー具体的にどのような弊害があったのでしょうか。
清水さま:大きな課題は「営業現場の板挟み」と、それに伴う「スピード感の欠如」です。メーカー営業としては、新しい製品へのリプレイスを提案するのが本筋です。とはいえ、お客さまにも予算やスケジュールの都合があり、「あと1年だけ今のシステムを使いたい」という切実な要望が出てきます。ここで「できません」と断れば、信頼関係が損なわれ、他社へ流れてしまう顧客離れのリスクがありました。

加えて、実務面にも課題がありました。第三者保守は市場から部品を調達するため、通常の保守とは異なる準備期間(リードタイム)が必要です。一方で社内では、「発注すればすぐに始まる」と誤解されていました。さらに、機器の特定に必要なログ情報などが不足した状態で依頼が来ることも多く、東芝ITサービスさんとの間で確認のやり取りが重なり、お客さまへの回答が遅れていたのです。
「なぜ遅いのか」とクレームになりかかるケースもあり、「私たち自身が内容を理解し、『ログ情報の事前取得』や『リードタイムの周知』といった上流工程で交通整理をしなければならない」と痛感しました。この問題意識が、今回のスキーム見直しのきっかけです。
中小原さま:私は東芝ITサービスで東芝グループ向けの保守ビジネス推進を担当しています。東芝が注力するエネルギーや交通・防災といった社会インフラ領域は、一般的なIT機器よりも長期の運用が求められます。「システムを安定して使い続けたい」というお客さまのニーズに応え、大切な顧客をつなぎ止めるためにも、第三者保守パートナーであるゲットイットさんと連携し、我々メーカーが責任を持って提供できる保守スキームを再構築することにしました。

「メーカー品質」へのこだわり。唯一無二のパートナー選定
ーーパートナーとしてゲットイットを選んでいただいた決め手は何でしたか。
井手さま:最大の理由は、東芝製品を扱える第三者保守会社として「唯一無二」の存在だったことです。我々はメーカーとして品質には厳格な基準を持っていますが、ゲットイットさんは技術的な知見も深く、東芝製品の在庫も豊富です。実際、これまで部品調達や保守のご相談をして、「部品がないのでできません」と断られたことが一度もありません。この「供給力」への信頼は非常に大きかったですね。
また、契約形態の柔軟性も決め手でした。特に我々が担当する社会インフラ系のお客さまは、年度ごとに運用計画や更新計画が変動することが多々あります。そうした変化に対し、「数ヶ月だけ延長したい」といった要望にも、柔軟な契約でスピーディーに応えていただけます。

ーーメーカーとしては、第三者部品(リユース品)を使うことに不安はありませんでしたか。
中小原さま:正直、当初は不安がなかったわけではありません。我々メーカーにとって品質は生命線ですから、中途半端なものは提供できません。ですので、スキームを本格化させる前にゲットイットさんの倉庫へ見学に行きました。そこで部品の在庫管理状況や、エンジニアの方による検証プロセスを細かく確認させていただきました。「ここまでしっかり管理・検証しているなら大丈夫だ」と、品質面での裏付けが取れたことが協業を深める決定打になりましたね。
「時間確保」はポジティブな戦略。営業の武器になる第三者保守
ーー新スキームの導入後、社内の反応や効果はいかがでしたか。
清水さま:単に「新しい仕組みができました」と通知するだけでは現場は動きません。東芝ITサービスさん、ゲットイットさんと3社で協力し、東芝の社内向けの第三者保守説明会を実施しました。
特に2025年に開催した2回目の説明会では、営業目線で「どんな条件なら第三者保守ができるか」を具体的に提示できるように、3社で何度も何度も打ち合わせを重ね内容をブラッシュアップしました。また、社内ポータルサイト(SPO)を構築して情報を集約し、寄せられた質問には一定期間内に回答するなど、現場の疑問を徹底的に解消しました。
その結果、情報の精度が上がり回答スピードが向上したことで現場の懸念も和らぎ、問い合わせ件数自体も確実に増えています。以前は、お客さまから「延長したい」と言われてもご提案が難しく、営業担当者は板挟みになっていました。今は、「第三者保守という選択肢があります」とお客さまのニーズに応える提案ができています。
井手さま:お客さまにとって、EOSL後も「これまで通りの体制」で保守を受けられる点も大きな効果ですね。コンタクトセンターやオンサイト対応は変わらず我々が担当するため、お客さまは違和感なく延命を選択できます。社内の空気も変わりました。以前は第三者保守というと「リプレイスまでの一時しのぎ」というネガティブなイメージもありましたが、今は「次世代システムへの架け橋」として捉えられています。

中小原さま:昨今は半導体不足による納期遅延や予算の都合で、どうしても更新できない期間が発生します。その間を第三者保守でしっかりとつなぐことで、お客さまは安心して次のリプレイス計画を立てられる。顧客離れを防ぎ、次のビジネスにつなげるための「戦略的な時間確保」として定着しつつあります。
今後の展望:買取り×保守で実現する「サステナブルな保守」
ーー最後に、今後の展望をお聞かせください。
清水さま:東芝製品のEOSL案件は、これからピークを迎えます。件数がさらに増えてもスピーディーに対応できるよう、ゲットイットさんとはさらに連携を密にしていきたいです。
また、保守を成立させるためには「部品」が不可欠です。その原資となるのは、お客さまの元で役目を終えた機器です。不要になった機器を「ITAD(買取り)」で回収し、使える部品を「保守」へと回す。この循環(エコシステム)を作ることで、資源を無駄にせず、より多くのお客さまの安定稼働を支えていきたいと考えています。
中小原さま:第三者保守は、もはや単なる「代替手段」ではなく、お客さまにとってメリットのある「有力な選択肢」の一つです。ゲットイットさんと共にシームレスなサービスを提供し、お客さまのITライフサイクルマネジメントを最適化していきたいですね。
ーー本日は貴重なお話をありがとうございました。

東芝グループさまの事例は、メーカー自身が第三者保守を「競合」ではなく「パートナー」として位置づけ、運用として成立させた点が特徴的です。ポイントは、第三者保守を“例外対応”として扱うのではなく、上流で必要情報とリードタイムを整理し、社内に理解と運用を根付かせたことにあります。この運用により、メーカー品質への信頼を維持しながら、EOSL後もシステムを止めず、次期リプレイスまで安全につなぐ道筋を示せるようになりました。
EOSL後もシステムを止めず、次期リプレイスまで安全につなぐ「戦略的な保守」をご検討の企業さまは、ぜひゲットイットにご相談ください。豊富な在庫と確かな技術力で、お客さまのIT戦略に「時間の猶予」と「有力な選択肢」を提供します。
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※このページの内容は2026年3月時点の情報です。
※東芝デジタルソリューションズ株式会社は、2026年4月1日に株式会社東芝に統合されます
環境価値やITADを詳しく掘り下げた「東芝デジタルソリューションズさまの買取りサービスインタビュー(前編)」も併せてご覧ください。
IT資産の「循環」が、長期安定稼働の新たなスタンダードに。 東芝グループとゲットイットが共創する、持続可能な保守部材エコシステム(前編:買取りサービス)