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CORPORATE INTERVIEW

EOSL後も止めない――日立システムズとゲットイットが紡ぐ安定稼働の舞台裏(前編:第三者保守サービス)

EOSL後も止めない――日立システムズとゲットイットが紡ぐ安定稼働の舞台裏(前編:第三者保守サービス)

メーカー保守が終了する(EOSL)と、まだ稼働中のサーバーやストレージは一転して「無保険状態」となり、情シス担当者はリプレイス予算と業務停止リスクの板挟みになります。このギャップを埋めるために日立システムズは、第三者保守のプロフェッショナルであるゲットイットと協業。窓口を変えずに保守期間を延長し、次期リプレイスまでシステムを止めない仕組みを構築しました。今回は、その取り組みを主導する日立システムズの佐々木さま・松本さまに、導入の経緯と成果を伺いました。

課題

  • メーカー保守は5〜7年で終了するため、長期稼働を望むお客さまのご要望に応えられず、安定稼働に課題があった。
  • 1〜2か月だけ延命したい/スポット対応したいケースに合う契約形態がなく、要望に応えきれなかった。

導入の効果

  • ゲットイットの第三者保守によりEOSL後のシステム安定稼働を実現し、次期システムへのシームレスなリプレイスを実現。
  • 世界規模の調達網と24時間の保守体制を確認し、品質・在庫への懸念を解消、提案が迅速化。
  • 月単位・スポット契約にも対応し、短期延命や検証機器ニーズにも柔軟に対応。

お話しを伺った方

(写真左)
日立システムズ 産業・流通デジタライゼーション事業部 第五デジタライゼーション本部 第一サービス部 第二グループ 主任技師 佐々木 英人さま

(写真右)
日立システムズ産業・流通デジタライゼーション事業部 第五デジタライゼーション本部 第一サービス部 第二グループ 松本 梨鼓さま

メーカー保守切れを埋める第三者保守の発想

ーーまず、お二人のご所属と業務について教えてください。

佐々木さま:私は日立システムズのデジタライゼーション事業部で、産業・流通分野のお客さま向けにハードウェア保守・運用保守を提供しています。最近はIoTや自動化が注目されがちですが、私の使命は「ハードを止めずにシステムを安定稼働させること」です。主任技師として、保守サービスの品質維持と延命施策の企画を担当しています。

松本さま:私も佐々木と同じデジタライゼーション事業部に所属し、保守運用業務を担当しております。主にメディア系や、運輸系のお客さまのアカウント対応を担っております。

ーー第三者保守についてお伺いします。御社がこのサービスを検討するきっかけや導入に至った背景を教えてください。

佐々木さま:前提として、私たちは自社で保守サービスを提供しています。IT機器にはメーカーが定めるEOSL(保守サービス終了)があり、サポートには期限があります。一方で、お客さまはシステムを10年以上稼働させたい場合も少なくありません。ハードウェアによってはメーカー保守が5〜7年で終了してしまうため、お客さまの想定稼働年数との間にギャップが生じます。その結果、システム全体のライフサイクルを安定させることが難しくなり、私たちも十分に対応しきれていませんでした。

そこで、EOSL以降も安定稼働を維持する手段として、ゲットイットさんの第三者保守サービスを活用するようになりました。現在は、保守期間の延長という私たちだけでは対応が難しい領域を、ゲットイットさんと連携してカバーしています。

ーーゲットイットとの協業はいつ頃から本格化したのでしょうか。

佐々木さま:個別案件では数年前から協力いただいていましたが、本格的に取り組みを開始したのは2023年度からです。まず産業・流通分野のお客さまに向けて提案を始め、下期からは公共・金融分野など全国規模で展開を進めています。

窓口はそのままで。日立システムズ×ゲットイットの協業で「ワンストップ保守」を実現

ーー御社とゲットイットの役割分担について、教えていただけますか。

佐々木さま:メーカー保守が終了した機器に対して、私たちが一次窓口となりつつ、実際の部品供給やオンサイト対応をゲットイットさんの第三者保守サービスで補完する形を採っています。

ーー第三者保守は欧米に比べ、日本ではまだ発展途上といわれます。メーカー以外へ保守を依頼するにあたり、導入当初に不安や懸念はありませんでしたか。

佐々木さま:確かに当初は不安がありました。私たちも保守サービス事業者であり、特に「日立製品は自社で面倒を見たい」という思いがあります。しかし、お客さまが長期稼働を望まれる一方で、メーカー保守は5~7年で終了します。このギャップを埋めることが最優先課題でした。そこで「お客さまの安定稼働を守る」という目的を軸に、保守体制と信頼関係を整えながらゲットイットさんと協業する方針を選びました。正直、「顧客を取られるのでは」という商流面の懸念がゼロだったわけではありません。

ーー般的には、そのように捉えられがちですよね。

佐々木さま:導入機器に第三者保守を直接適用すると、「協業が競合に転じる恐れ」もありましたが、現在は相互に信頼関係が築けており、その不安は解消しています。そのほかに、当初は品質面への懸念があり、「部品の安定供給や在庫確保」「体制維持の確実性」「地域間でのサービス品質の均一性」などを重視しました。

特にリユース部品の使用に関しては、品質管理体制を最も重視しています。実際にゲットイットさんの倉庫を見学し、在庫状況や検証プロセス、全国対応体制を確認した結果、「これなら信頼できる」と判断しました。

品質・体制・環境――ゲットイットを選んだ3つの理由

ーー第三者保守のパートナー選定で、最終的な決め手は何でしたか。比較検討時の判断ポイントを教えてください。

佐々木さま:全国規模で第三者保守を展開している企業は限られており、ゲットイットさんはその中でも主要な存在の一つと認識しています。ほかの企業が部品供給などでゲットイットさんを活用するケースもあり、一定の役割を担っておられると伺っています。当社がゲットイットさんを選んだ決め手は、全国対応の体制と部品品質が評価できる点でした。

ーー第三者保守の具体的な導入事例があれば、教えていただけますか。

佐々木さま:事例は数多くあります。2023年度は社内認知度向上を優先したため、私自身の実績は限られますが、社内・グループ会社向けの広報が奏功し、下期からは各部門が直接ゲットイットさんへ問い合わせるケースが増えました。2024年度に入ってからは案件が本格化し、安定稼働や保守延長に対するニーズの高さを実感しています。

具体例としては、ある自動車メーカーさまでシステム更新が遅延し、メーカー保守が終了したケースがあります。切り替えが1年以上先に延びる見込みだったため、その期間をゲットイットさんの第三者保守でカバーしました。保守窓口は従来どおり日立システムズが担当し、部品供給とオンサイト対応をゲットイットさんに委託することで、お客さまの運用体制を変えることなく安定稼働を維持できました。

ーー松本さまはいかがでしょうか。

松本さま:受注には至りませんでしたが、お客さまから「次のリプレイスまでの1〜2か月だけ第三者保守を利用できないか」というご相談がありました。ゲットイットさんに確認したところ、その短期間でも対応可能との回答をいただき、改めてサービスの柔軟性の高さを実感しています。

鉄道から空港、自動車業界まで――広がる第三者保守のニーズ

ーー第三者保守のご依頼が多い業界に、偏りはありますか。

松本さま:鉄道業界や自動車業界、一部の空港関連企業さまなど、実に多岐にわたります。第三者保守の依頼は特定の業界に偏っているわけではなく、さまざまなお客さまからご要望をいただいているのが実情です。

ーーゲットイットとの協業効果について、どのように感じておられますか。

佐々木さま:当社はLCM(ライフサイクルマネジメント)全体をワンストップで提供することを目指しています。ただし、保守延長(EOSL後)や廃棄・買取(ITAD)といった最終段階は、単独では対応が難しい領域でした。その領域をゲットイットさんと協業することで、当社が一次窓口のままサービスを完結できる体制が整いました。お客さまにとっても商流を変える必要がなく、トータルなサポートを受けられる点がメリットです。

ーー御社の立場から見て、ゲットイットの第三者保守の強みはどこにあるとお考えですか。

佐々木さま:やはり対応範囲の広さですね。ニッチな製品でも柔軟に予備機を調達してくださいます。その背景には、世界中に張り巡らされた調達網があるからこそ可能であり、当社のサービスと組み合わせてお客さまに最適な提案ができています。

今後の展望:非IT領域への提案拡大。協業で広がる守備範囲

ーー今後の展望や計画をお聞かせください。

松本さま:今後はIT機器にとどまらず、設備系など非IT領域にも第三者保守を広げたいと考えています。加えて、調達段階ではゲットイットさんの「レンタル」を活用した検証環境支援、廃棄段階では「買取り」や「データ消去」と連携するなど、LCM全体で協業を深め、「日立システムズならではの付加価値」を提供していきたいです。

ーーこれから第三者保守の導入を検討されている、あるいは迷っている読者の皆さまへメッセージをお願いします。

松本さま:メーカー保守が終了した後も、「システムを継続利用したい」お客さまは多くいらっしゃいます。第三者保守は、そのニーズに応える有効な選択肢の一つです。特にゲットイットさんとの協業により、品質面・体制面ともに安心してご利用いただけるサービスをご提供できますので、ぜひ前向きにご検討ください。

佐々木さま: 日本企業では「既存のスキームを変えたくない」という理由から、第三者保守の導入をためらうケースが少なくありません。しかし、ゲットイットさんの取り組みは社会貢献度が高く、メーカー保守とのギャップを埋める実効性のある手段です。運用課題、特に保守面でお困りのお客さまは、ぜひ選択肢の一つとしてご検討ください。興味があれば、まずは私どもかゲットイットさんへお気軽にお問い合わせいただければと思います。

ーー本日はお忙しい中、ありがとうございました。

日立システムズさまは、ゲットイットの第三者保守を組み合わせることで、メーカーEOSL後のシステム安定稼働を実現しました。月単位やスポット契約、ニッチ機器への対応など、きめ細かなサービスを通じて品質面の不安を解消し、投資計画に影響を与えない安定運用を支えています。今後はさらに守備範囲を広げ、両社のワンストップ連携を「ライフサイクル全体」へ拡大する方針です。

ゲットイットは日立システムズさまをはじめ、大手SIerとの協業も広く行っています。直接第三者保守を導入するのはハードルが高いとお考えの企業さまは、ぜひ一度お付き合いのあるSIerさまへご相談ください。もちろん、ゲットイットへ直接ご連絡いただいても構いません。
第三者保守サービスについて詳しくはこちら

※このページの内容は2025年6月時点の情報です。

 

環境価値やITADを詳しく掘り下げた「日立システムズさまの買取りサービスインタビュー(後編)」も併せてご覧ください。
廃棄で終わらせない。日立システムズとゲットイットが切り拓くリユーススキームの真価(後編:買取りサービス)

株式会社日立システムズ
企業名
株式会社日立システムズ
主な事業内容
1962年設立。東京都品川区大崎に本社を置き、約1万人(単独)・約2万人(連結)の社員が在籍する、日立グループの中核ITサービス企業。システム構築から運用・監視・保守、ネットワークサービスまでLCM全般をワンストップで提供し、Lumadaを軸としたDX支援やサステナビリティ経営にも注力。多種多様な業種のデジタル変革を支える。
設立
1962年10月1日
URL
https://www.hitachi-systems.com/

インタビュアー

武

株式会社ゲットイット
マーケティング担当

担当営業

今木

今木

株式会社ゲットイット
エンタープライズ事業部
営業担当

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