2024年02月27日
【検証してみた】第三者保守は環境に優しいのか?

【検証してみた】第三者保守は環境に優しいのか?

機器の更改(リプレイス)を延期し、今使っているサーバーを使い続けることは、環境に対してどのようなインパクトを与えるのでしょうか?

ITシステムを運用していれば、いつかは必ずやってくるリプレイス。しかし、様々な事情により、今使用している機器をあと数年使い続ける必要に迫られることがあります。そんな時に活用されるのが第三者保守サービスです。今日は意外と知られていない、第三者保守による環境面への影響をレポートします。


HPE ProLiant DL360 Gen10 Server (*1) を例に、CO2排出量のシミュレーションを行いました。比較したのは、A. 6年間ごとにリプレイスを行った18年間 と、B. 使用期間を3年延長し9年でリプレイスした18年間 の比較です。その結果、わかったことを3つのポイントにまとめました。
A. 6年間ごとにリプレイスを行った18年間 と B. 使用期間を3年延長し9年でリプレイスした18年間

図1「 6年間ごとにリプレイスを行った18年間(A)と、 使用期間を3年延長し9年でリプレイスした18年間(B)の比較」

Point1. 原材料調達・廃棄にかかる排出削減

Aのケースでは6年ごとに新製品を購入し18年間で3台の新製品購入が必要であるのに対し、Bのケースでは18年間で2台の新製品購入となり、新製品1台の製造及び廃棄を回避することができます。原材料調達・廃棄段階の排出削減量はおよそ973kg-CO2で、Aのケースと比較して約30%の削減となります(グラフ1)(*2)。
図1のA・B各期間中におけるサーバーの原材料調達・廃棄にかかるCO2排出量

グラフ1

Point2. ライフサイクル全体での排出削減

サーバーのように24時間365日の稼働を前提としたエンタープライズ機は、PCよりもライフサイクル全体に占める使用時のCO2排出量の割合が高くなります。今回の試算でも、全体の排出量の約70%は使用時に排出されていることがわかりました。さらに、リプレイスした機器の省エネ効率の改善を考慮すると、どうなるでしょうか?今回の試算では、1回のリプレイスにつき、省エネ効率が10%改善すると想定しました。その場合でも、BのケースがAのケースよりも10%ほどCO2排出量を削減することになりました。ライフサイクル全体での排出削減量は1台当たりおよそ749kg-CO2でした(グラフ2)(*3)。

なお、この試算はメーカーサイト(*1)を参考に、サーバーの稼働率を30%として計算しています。仮に稼働率を100%とした場合には、消費電力が多くなるため効率改善の効果が大きくなり、リプレイスによる10%の効率改善を加味すると、Bのケースの削減率はわずか1%になることにも留意する必要があります(*4)。
図1のA・B各期間中におけるサーバーのライフサイクル全体にかかるCO2排出量

グラフ2

Point3. 再エネ電力の増加による排出削減

使用する電力の脱炭素化が進むほど、ライフサイクル全体での排出量は原材料調達・廃棄段階の排出量に近似していきます。下記は、サーバー1台を現在の日本の電源構成で10年使用した場合と、現在のスウェーデンの電源構成で10年使用した場合の、CO2排出量の構成を示しています(グラフ3,4)。
サーバー1台を10年使用した場合のCO2排出量の構成比率の推移:日本の場合

グラフ3

現在の日本の電源構成(*5)でサーバーを運用すると、使用開始から3.5年が経過すると、製造段階で排出したCO2を、使用段階で排出するCO2が上回ることになります。10年使用すると、製造と使用の排出量の対比は1:3になります。

サーバー1台を10年使用した場合のCO2排出量の構成比率の推移:スウェーデンの場合

グラフ4

一方、化石燃料への依存度が低いスウェーデンの電源構成(*6)で運用すると、10年が経っても使用による排出量はわずか4%です。このことから、電力の脱炭素化が進むほど、サーバーを長く使うことの環境への貢献度は大きくなるということがわかりました。


リプレイスx環境

第三者保守を使い、サーバーを長く使い続けることの環境へのインパクトを、3つの切り口から見てきました。その結果、適切な条件が揃えば、第三者保守を活用しサーバーを長く使い続ける事でCO2排出量の削減が見込めることがわかりました。

一言にリプレイスといっても、その背景は様々です。常に機器を最新のモデルに保つ必要がある、増え続けるデータ量に対応する必要がある、などスペックが求められることも多いでしょう。頻繁なリプレイスの必要がない、安定稼働しているシステムにおいては、環境負荷という観点からも第三者保守を検討してみてはいかがでしょうか。ゲットイットは、第三者保守や買取りサービスなどを通じて、貴社ITシステムの環境価値を最適化するお手伝いをいたします。ぜひ、ゲットイットにご相談ください。

参考文献・注
(*1)HPE ProLiant DL360 Gen10 Server:HPE ProLiant DL360 Gen10 Server, Base (13kg) を使用。サーバー稼動率は、メーカー使用シナリオを参照し、稼働率30%、24h/日、365日/年稼働。使用期間はメーカー保証期間の6年間と仮定。
(*2)(*3) 株式会社ウェイストボックスによる算定。独自の計算式で算出したため詳細は原則非公開。
(*4)また、本シミュレーションを1Uルーターで実施したところ、省エネ効率10%を考慮するとBの排出量の方が2.5%多くなるという結果になった。これは、ルーターがサーバーよりも軽いため、原材料調達におけるCO2排出量が小さくなり、使用時の電力消費によるCO2排出量のインパクトが相対的に大きくなるためである。
(*5)電気事業者別排出係数R3年度実績 全国平均係数より
(*6)European Environment Agency
グリーンIT編集部
グリーンIT編集部
リユースIT業界の最新情報を発信する「グリーンITブログ」を掲載。
世界のことから社内のことまで、リユースIT製品(グリーンIT製品)を使う選択がもっと当たり前な社会にするため、情報を発信しています。