図1「 6年間ごとにリプレイスを行った18年間(A)と、 使用期間を3年延長し9年でリプレイスした18年間(B)の比較」
Aのケースでは6年ごとに新製品を購入し18年間で3台の新製品購入が必要であるのに対し、Bのケースでは18年間で2台の新製品購入となり、新製品1台の製造及び廃棄を回避することができます。原材料調達・廃棄段階の排出削減量はおよそ973kg-CO2で、Aのケースと比較して約30%の削減となります(グラフ1)(*2)。
グラフ1
サーバーのように24時間365日の稼働を前提としたエンタープライズ機は、PCよりもライフサイクル全体に占める使用時のCO2排出量の割合が高くなります。今回の試算でも、全体の排出量の約70%は使用時に排出されていることがわかりました。さらに、リプレイスした機器の省エネ効率の改善を考慮すると、どうなるでしょうか?今回の試算では、1回のリプレイスにつき、省エネ効率が10%改善すると想定しました。その場合でも、BのケースがAのケースよりも10%ほどCO2排出量を削減することになりました。ライフサイクル全体での排出削減量は1台当たりおよそ749kg-CO2でした(グラフ2)(*3)。
なお、この試算はメーカーサイト(*1)を参考に、サーバーの稼働率を30%として計算しています。仮に稼働率を100%とした場合には、消費電力が多くなるため効率改善の効果が大きくなり、リプレイスによる10%の効率改善を加味すると、Bのケースの削減率はわずか1%になることにも留意する必要があります(*4)。
グラフ2
使用する電力の脱炭素化が進むほど、ライフサイクル全体での排出量は原材料調達・廃棄段階の排出量に近似していきます。下記は、サーバー1台を現在の日本の電源構成で10年使用した場合と、現在のスウェーデンの電源構成で10年使用した場合の、CO2排出量の構成を示しています(グラフ3,4)。
グラフ3
現在の日本の電源構成(*5)でサーバーを運用すると、使用開始から3.5年が経過すると、製造段階で排出したCO2を、使用段階で排出するCO2が上回ることになります。10年使用すると、製造と使用の排出量の対比は1:3になります。
グラフ4
一方、化石燃料への依存度が低いスウェーデンの電源構成(*6)で運用すると、10年が経っても使用による排出量はわずか4%です。このことから、電力の脱炭素化が進むほど、サーバーを長く使うことの環境への貢献度は大きくなるということがわかりました。
第三者保守を使い、サーバーを長く使い続けることの環境へのインパクトを、3つの切り口から見てきました。その結果、適切な条件が揃えば、第三者保守を活用しサーバーを長く使い続ける事でCO2排出量の削減が見込めることがわかりました。
一言にリプレイスといっても、その背景は様々です。常に機器を最新のモデルに保つ必要がある、増え続けるデータ量に対応する必要がある、などスペックが求められることも多いでしょう。頻繁なリプレイスの必要がない、安定稼働しているシステムにおいては、環境負荷という観点からも第三者保守を検討してみてはいかがでしょうか。ゲットイットは、第三者保守や買取りサービスなどを通じて、貴社ITシステムの環境価値を最適化するお手伝いをいたします。ぜひ、ゲットイットにご相談ください。