この企画をメインで動かしていたのは、なんと入社間もない社員。一体どんな勉強会が、どんな経緯で企画されたのでしょうか。プロジェクトの舞台裏を探るべく、入社4年目で勉強会発案者の桂さんと、入社1年目の小川さんに話を聞きました!
※聞き手:猪俣奈央子(ライター)
法律事務所でインターンとして働き、第二新卒として2019年7月に入社。約3年間営業を務め、昨年夏からセールスコーディネーターとして活躍。趣味はバッティングセンターに行くこと。(野球のルールは知りません。)。
◎小川 真司(おがわ しんじ)/エンタープライズセールス アカウント営業 第四営業部所属
海苔漁師、不動産業界の個人営業を経て、リフォーム会社を起業。コロナ禍で自身の会社を畳んだ後、2022年4月、友人の紹介でゲットイットに入社。アカウント営業として活躍。趣味はゴルフとゲーム。(インドアとアウトドアの二刀流です。)
桂さんの目標を聞いて、「絶対に実現させたい!」と思った
―――お二人は昨年、取引先の若手営業の方々に向けて勉強会を企画されたそうですね。自社ではなく取引先の社員に向けてというのは珍しいと思うのですが、どのような経緯で開催されたのでしょう?
もともとはコロナの流行が始まった2020年頃に、オンラインの商談で「コロナで困っていることはありますか?」とお客さまにお伺いしていたのが、きっかけでした。そこでお客さまから「新人への研修や教育がオンラインに移行し、先輩も教えづらい。新人も商品やサービスについて理解しづらい状況が生まれている」という話をよく聞いていたんです。
私と小川は、第四営業部という部署に所属しており、ある大手SIerさんを担当しています。お客さまは、業界柄ネットワークやサーバを扱っているわけですが、コロナ禍で入社された方は機械の実物を見たことがないと。ゲットイットの倉庫には実機がたくさんありますから、「当社で研修をやりましょうか?」と話をしていました。
ただ、その後もコロナ禍が続き、対面で集まれる状況ではありませんでした。何度か、研修開催の話が浮上しては立ち消えになるという状況でした。
僕が初めて、この勉強会の話を聞いたのは、四半期ごとに行われる目標共有の場である「CLOU(クルー)」に参加したとき。僕は去年の2022年4月に入社し、初めて参加する「CLOU」でした。そこで、桂さんがご自身の目標として「取引先の社員さんに向けて勉強会を開催する」と宣言されたんです。
―――「CLOU(クルー)」とは、どんな会なんでしょう?
当社では四半期ごとに、前期の振り返りをして、次の期の個人目標を立てるんですね。ただ、目標を立てるだけじゃなく、みんなに「こういう目標を立てました」と社内ポータル内の個人ページに記載して、数名での面談内で共有するんです。その目的はセルフマネジメントと、同僚たちに自分のミッションは何なのかを知ってもらう目的もあります。そのシステムを「CLOU」と呼んでいて、面談では所属する部署のトップは必ず参加します。加えて、自分の目標を聞いてほしいメンバーにも来てもらえるんです。私は、同じ顧客を担当する小川さんに参加してもらいました。
桂さんの目標を聞いて、「その企画を絶対に実現させたい!」と思いました。お客さまに喜ばれる企画なのは間違いなく、僕自身も、入社したばかりで取引先との関わりがほとんどありませんでしたから、自分にとってもチャンスだと思ったんです。だから、「僕も一緒にやらせてください!」と立候補しました。
私一人だと、日々の忙しさもあってなかなか進まなかったので、小川さんが「やりたい!」と言ってくれたのは、うれしかったです。とはいえ、小川さんは入社したばかり。私がメインで進めていかなきゃいけないだろうと思っていました。でも、蓋をあけてみたら、ガッツリ、タスクを引き取ってくれて……!ものすごく強力な助っ人を得てしまいました(笑)。
プロジェクト成功に向け、2カ月間社内外を駆けまわる
―――具体的に、企画した勉強会はどのような内容だったのですか?
取引先である大手SIerの若手営業の方、なかでもコロナ禍に入社された1年目から3年目の方に向けた勉強会を開催しました。私も未経験からIT業界に入社したので気持ちがわかるのですが、そもそも「ネットワークって、どうやって構築されているの?」というところからわからないんですよね。
「インターネットに接続すると、機械の中ではこういう動きをしています」と実機を見てもらいながら解説したり、小さなラックの中にインターネット環境を組み立ててみたり。大きな概念の話も、視覚的に理解できるように工夫しました。
一般的には、ハードウェアやサーバの中身を見たことがない人がほとんどです。本来であれば触れないところも開けてみて中身を見てもらったり、分解しながら仕組みを理解してもらったり。3時間ほどの濃密な研修を2日間。計20名程の営業の方が参加してくださいました。
プログラムの中身は「外部研修として販売できるのでは?」と思うくらい濃いものでした。完成度がとても高かった。このプログラムをつくるために、小川さんは、2カ月ほど社内外を駆けまわっていたよね?
そうですね。まわりの方々の協力がなければ実現できなかったと思います、本当に。まず、ゲットイットのIT研修を担当している大ベテラン技術者に相談をして、プログラムの中身をつめていきました。同時に、取引先の研修担当の方と、どのような内容が期待されているのかをすり合わせて。当社倉庫のロジスティクス担当の方々にも、第四営業部のメンバーにも、本当にお世話になりました。
入社1年未満で、他部署を巻き込んでのビッグプロジェクトを成し遂げてくれました。小川さんの他者を巻き込む力はすばらしかったし、私も見習いたいと思いました。
みなさん、嫌な顔一つせずに笑顔で聞いてくださるので話しかけやすかったんですよ。会社によっては部署が違えば違う会社みたいな雰囲気ってあるじゃないですか。相談に行っても「何しに来たの?こっちは忙しいんだけど」ってあしらわれたり。ゲットイットは、そういうムードがまったくなくて、ウェルカムな雰囲気で。
むしろ「なになに?楽しそうなことしてるね〜!」って前のめりな感じですよね。
そうなんです。ロジスティクス担当の方々に「倉庫見学をお願いします」と話に行ったら、「箱とか実際に触ってもらったほうがいいよね?こういうのを用意しておく?」とむこうから提案してくれて……感動しました。
―――勉強会に参加したお客さまからの反応はいかがでしたか?
当日引率してくださった取引先のグループマネージャーの方が、「十何年営業をやっているけれど、サーバの中身を見たことがなかった。本当に貴重な体験ができた」とおっしゃってくださいました。
入社2〜3年目の営業の方は、すでに現場でお仕事をされているので、日頃疑問に思っていることがあるんですね。そういった疑問を、当社の技術者に積極的に質問していらっしゃって、当日の雰囲気もとても良かったと思います。実際に、取引先の担当者からは「来年もまた同じ研修をやってほしい」とオファーをいただいています。
実は、勉強会終了後も私宛てに、参加した営業の方から問い合わせの電話があるんです。勉強会で司会をしたときに「僕はまだわからないことも多いですが、ゲットイットには技術の専門家や大ベテランがいるので、何かあったら頼ってください」とお伝えしていて。
営業現場で困ったことがあったときに、いちばんに顔を思い出してもらえるのは、本当にうれしいことだと思います。
プロジェクトを通して見えた、ゲットイットの社風
―――入社1年未満の小川さんと、入社4年目の桂さんがタッグを組んで、他部署を巻き込みながらプロジェクトを推進し、お客さまのロイヤリティを高められたわけですよね。社員一人ひとりが、のびのびとチャレンジできる社風なんだなと感じました。お二人は、ゲットイットの社風をどう見ていますか?
のびのびチャレンジできる社風だと思いますね。今回のプロジェクトは、CLOUという個人目標から始まりました。まずは、自分が何をしたいのか。セルフマネジメントが大事な会社なんだと感じます。そして「挑戦したい」と声をあげたメンバーに対して、会社の方向性と合致していればまわりが惜しみなく協力や応援をしてくれるんです。もちろんやりたい内容の規模や予算によっても変わってきますし、社内で合意をとるまでには意見を出し合うなかで衝突が起こる時もありますけどね。
あらためて、“人が魅力”の会社だなぁと思います。基本的にみんな、「いいじゃん、いいじゃん」って応援してくれる。部にもよると思いますけど、うちの部長なんて、なんでもひと言目に「めっちゃええやん」って言ってくれますから(笑)。
先輩としてアドバイスをしてくれて、その上で最後も「めっちゃええやん」で締めてくれるんですよね(笑)。
本当に、そう。何か挑戦しようとしたときに否定されて終わった経験がなくて。社歴に関係なく意見が言えるし、のびのびやれる職場ですよね。
桂さんはじめ先輩が声をかけやすい雰囲気をつくってくれるので、本当にありがたいです。
そう言ってもらえると、こちらも嬉しいです。どうせなら、楽しく仕事したいですよね。後輩にも遠慮しないでほしい。
第四営業部のモットーは「明るく、楽しく、元気よく!」ですから。いい雰囲気の中で仕事させてもらっています。
こんなこともありました。僕は九州出身で、取引先に福岡拠点があるので「福岡出張に行きたい」と言っていたんです。営業部配属当初はコロナ禍で外に出てお客さまに会う営業がほとんどできず、どんどん会いに行きたくて。そしたら部長が「行ってきていいよ」と。入社して日が浅い営業を一人で出張に行かせるのはリスクもあったと思うのですが、僕自身の気持ちを受けとめてチャンスをくれた。
そして、その出張体験から得られたものは3点あると思っています。
1点目はお客さまとの距離感。お客さまに直接お会いして、会話の中で地元ならではの具体的な地名や場所のお話ができたことで、一気に距離を縮めることができました。
2点目は両社の情報交流です。ゲットイットの事を知らなかった、入社時から九州支店にいる方にサービス内容や実績をプレゼンすることが出来たので、双方の有意義な情報交換ができました。
3点目は自信です。今までは、回答できない質問が来た時は焦っていましたが、1人で地方に行って会社案内プレゼンを実施し対応できたことで自信につながりました。
出張先でできたこと、できなかったことの両方があった中で、部長は「できなかったことについて、自分自身がわかっているなら、いいと思う」と言ってくれました。チャレンジさせてもらえるからこそ成長するし、次に繋がると感じています。
一人ひとりの意志や強みを活かそうとしてくれるのは、私自身も感じています。
私は、昨年の夏からセールスコーディネーターという新しいポジションに就いています。営業として経験を重ねる中で、お客さまに会うのも楽しいし、提案の仕事も好きだけれど、数字を追うことがすごく苦手だと気づいて。数字が絡むと、どうしても前向きになれないんです。でも、数字を追わない営業なんて、いませんよね? だから悩んでいました。それを部長に相談したところ、「じゃあ新しくポジションをつくっちゃえばいいんじゃない?」ってポンと言われたんです。
もともと、営業部内でそのような構想があったらしく、営業数字を持たずに営業をフォローしたり、取引先とのリレーション構築をサポートしたりする新しい役職に就くことになりました。部長に相談してから、わずか2カ月後のことです。タイミングが重なったとはいえ「えっ、いいんだ?」「こんなに早く動いてくれるんだ!」と驚きました。私の強みを活かしながら、営業の負担を軽減し、部署のパフォーマンスを最大化する解決策を提示してくれたんです。
セールスコーディネーターがいることで、営業としては、とても助かっています。外出して帰ったら、お客さまからのメールが溜まっていることがよくあるのですが、桂さんがメール対応などもサポートしてくださるので、安心して外出できていますね。
コロナ禍も落ちついてきて、出来るだけ“外に出よう”というのが第四営業部の方針。営業さんの外出のボトルネックを解消するような動きができたらと思っています。セールスコーディネーターという役職ができても、じゃあ具体的に「○○をしてください」という指示はありません。自分で考えて動くことが必要なのも当社の特徴です。試行錯誤しながら進める分、やりがいや楽しさを味わえていますね。
居心地がいい理由は、人間関係のちょうどよい距離感?
――― 最後に、あらためて“ゲットイットの良いところ”を聞かせてください!
この会社で働いている友人から誘われたのがきっかけでゲットイットに入社しました。入社前に、会社や採用サイトを見て、“この会社、なんか面白そうだな〜”と思ったんです。これから出来上がっていく、成長過程にある会社という点に惹かれましたし、比較的フラットな組織というところも魅力に感じました。
でも、会社や採用サイトって、良いことしか書かないじゃないですか?しかも、その会社でのレアケースだけを紹介したりすることもあります。でも、ゲットイットに入社したとき、「あのページに書かれていたとおりだ!」と思った。「マジか!」って(笑)。むしろ入社後に会社の良さをどんどん知って、書かれている以上に僕にとってはいい会社でした。
たとえば、営業部全体の会議の席で、一番社歴の浅い僕が、意見を言えたりするんです。もともと僕は「成績をあげていない人は意見を持つな」という社風の会社で働いていたので、すごく新鮮でした。そしてどんな意見も、みんな無下に扱わず、耳を傾けてくれます。それは入社して最も感動したポイントでした。
私は、この会社に第二新卒として入社しています。本当は大学生のときにインターンをしていた会社に、そのまま就職する予定だったんです。でも、実際に働いてみたらすごく不安になって。家族経営でトップダウンの組織で、離職率も高かった。まわりを見渡しても、「こんなふうになりたい」と思える先輩がいなくて、私は3年後、どうしているだろうと不安になりました。
ものすごく悩んだのですが、結果的に内定を辞退して、既卒として就職活動をスタートすることに。そこで出会ったのがゲットイットでした。ゲットイットの魅力は、入社前も、入社してからも、やっぱり“人”だと思います。とても緊張して臨んだ面接は、ほとんど雑談みたいな感じで、すごく楽しかった。これで落ちても何の悔いもないと思えるくらい、自分が出せました。
今、ゲットイットで入社4年目を迎えていて、親も「あのとき、いい決断をしたね」と喜んでくれています。私は昔からけっこう感情を引きずるタイプで。アルバイトをしていたときも人間関係で揉めたりすると、夜や土日もずっと考えちゃっていました。でも、ゲットイットに入社した4年は、一回も、何かを気に病んで眠れないみたいなことがありませんでした。それって、すごいことだなぁと思います。
――― お二人を見ていても仲の良さが伝わってきますし、人間関係の良さがゲットイットの魅力なのかもしれませんね。
本当に人に恵まれていると思いますね。過保護になりすぎず、それでいて見守ってくれる。困ったときにサポートしてくれる先輩ばかりなので、いつも感謝しています。
人との距離感が、ちょうどいいんですよね。チームや部署によってもカラーは違うと思いますが、私が所属する第四営業部はまるで家族みたいにアットホームな雰囲気なんだけど、プライベートにはふみこみすぎない。仕事の連携は密で、リモートワークでも一人っきりにしないで“大丈夫〜?”と気軽に声をかけあったり、相談しあったりできる環境だけれども、社内ツール以外の連絡先を交換することを強要されたりもしない。きちんとメリハリもあって、その絶妙なバランスが、居心地の良さにつながっているのかなぁと私は思います。
編集後記:桐谷(ゲットイット採用担当)
実は一次面接から知っている小川さん。桂さんとのお話を聞きながら、あの日を思い出していました・・・嬉涙。桂さん、小川さん、引き続き今後の活躍を期待しています!