
こんにちは。蔵部4月担当、Yです。
今回は「同じ水から、できている。」というのがテーマです。
各地のお酒と、同じ土地の海で獲れた海産物をアテ(肴)にして、お酒とアテのマリアージュを試してみました。
ラインアップは以下の通り。
岩手県
酒 :純米酒 Rise Up, KESEN! 酔仙酒造(陸前高田市)
アテ:陸前高田産 ホヤの刺身
広島県
酒 :純米吟醸 幻(まぼろし) 中尾醸造(竹原市)
アテ:広島産 カキの塩辛
高知県
酒 :純米酒 桂月(けいげつ)超辛口 土佐酒造(土佐郡土佐町)
アテ:高知産 戻りカツオの叩き
なぜ同じ水からできているか、って?それはこういう理由からです。
魚介類は海で獲れるものとはいえ、海水とその成分だけで育つのではありません。
地元の山や陸地のミネラル分が川を通って海に流れ、その成分を元に成長するのです。
例えば、カキ養殖業者は養殖を始めるのにまず山の保全(森の手入れ)から始めます。
山や森から良質のミネラルが海に届かなければ、美味しいカキが育たないからです。
ところで、水といえば、日本酒を醸すのに最重要な要素は
蔵元の近くの山野からわき出る、天然のミネラルウォーターですよね?
その同じ水が、川を下り海にそそいで、魚の稚魚や貝や尾索動物(ホヤはこういう分類に属するんだそうです)の成長を促す。魚介類が海で育つのに欠かせない水は、まさに地元の日本酒を醸しているのと同じものです。だから、今回のお酒とアテは、同じ水からできている、と。
さて、肝心のマリアージュの結果は?
結論からいうと成功もありビミョーな結果もあり、という所でしょうか(笑)
お酒はそれぞれの県のアンテナショップで買ったのですが、どれも凄く丁寧に醸されているので少し「優等生」的で、クセの強さに負けちゃうものも…。とくにカキの塩辛は、敢えてガツンとくるような安いお酒で熱燗でグイグイいったほうが似合ったかも、と思いました。
ちなみに、陸前高田市の酔仙酒造は、8年前の東日本大震災で蔵ごと壊滅した蔵元さんです(検索すると画像や動画が出てきますが、かなりショッキングなのでご注意)。個人的にずっと応援のつもりで買ってきたのですが、震災直後に別の蔵を借りて作っていた時はまるで別のお酒になってしまっていました。よくぞここまで味を戻せたなと、深い尊敬の思いを抱かずにいられません。これからも飲み続けますので頑張って頂きたいです。
以上4月の蔵部、活動報告でした。それではまた来月!