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「廃棄前の対応」から「経営の選択肢」へ。サーキュラーテック推進室が変える、IT資産循環の常識

「廃棄前の対応」から「経営の選択肢」へ。サーキュラーテック推進室が変える、IT資産循環の常識

2026年、ゲットイットは伊藤忠商事との資本業務提携を機に「サーキュラーテック推進室」を新設しました。
同組織が担うのは、IT機器の買取り・再流通・第三者保守といった個別サービスをつなぎ、企業のIT資産を調達・運用・保守・延命・再利用・再資源化まで一体で設計する「循環型ITライフサイクルマネジメント」の実現です。その構想を社会に広げていくためには、事業構想だけでなく、顧客課題を捉え、現場で仕組みとして機能させる実行力が欠かせません。

第三弾となる本記事では、伊藤忠商事から出向しサーキュラーテック推進室に参画した大村氏と、長年ゲットイットで保守・レンタル・ITAD事業に携わってきた常世田氏に、新組織の役割と目指す未来について聞きました。

伊藤忠商事とのアライアンスで、サーキュラーテック市場を広げる

――まず、サーキュラーテック推進室はどのような背景から生まれた組織なのでしょうか。
大村:伊藤忠商事との資本業務提携を契機に立ち上げました。目的は、伊藤忠商事とのアライアンスを活用しながら、循環型ITライフサイクルマネジメントを実現する新たなビジネスを構築していくことにあります。
具体的には、伊藤忠グループとの新規事業創出やアライアンス構築に加え、社内の事業部を横断しながら新たな価値を生み出す旗振り役を担っています。

常世田:何か大きな課題があったから作ったというより、「もっと良くできる」という発想からですね。
ちょうど伊藤忠商事でもサーキュラーテックビジネス課が新設され、両社で同じ方向を向いていこうという考えがありました。組織名にもその意思が表れていると思います。

――大村さんは、伊藤忠商事の立場からゲットイットにどのような可能性を感じていますか。
大村:伊藤忠商事ではこれまで、中古スマートフォンやタブレットを中心としたモバイル端末の循環ビジネスを展開してきました。一方で、サーバーやストレージ、ネットワーク機器といったエンタープライズIT機器の領域には、まだ大きな成長余地があります。ゲットイットと連携することで、モバイル中心だった循環型ビジネスをエンタープライズ領域へ拡張できる可能性を感じています。
また、ゲットイットは業界内で高い知名度と信頼を築いています。その強みと、伊藤忠商事が持つ顧客基盤や海外ネットワークを掛け合わせることで、より大きな市場を創っていけるでしょう。

――今回の取り組みでは、リユースやリサイクルを廃棄前の対応ではなく、「IT資産戦略」として捉え直そうとされています。
大村:従来、リユースやリサイクルは「使い終わった後」の話として語られることが多かったと思います。しかし企業によっては、重要なシステムには新品を導入しながら、それ以外の領域では長期間活用したいというニーズもあります。そうしたときに、導入段階から延長保守やリユースを含めた選択肢を設計できれば、ITコストの最適化や資産活用の幅が大きく広がります。
私たちが目指しているのは、リユースや第三者保守を単なる代替手段ではなく、企業のIT戦略の一部として選べる状態にすることです。

点のサービスを線の提案へ。ゲットイットの現場知をつなぐ

――常世田さんは長年、現場でお客さまと向き合ってこられました。どのような課題を感じてきましたか。
常世田:多くのお客さまは、IT機器の更新計画をメーカーのサポート終了時期に合わせて考えています。もちろんメーカーの存在が重要なのは言うまでもありませんが、企業さまにおいては「まだ使えるのに更新しなければならない」「保守費用が急に上がる」「代替機が見つからない」といった課題も少なくありません。私たちは以前から、使い続けられるものを無理に捨てる必要はないのではないか、と考えてきました。
また、IT機器の買取りやデータ消去によって資産価値を回収できることをご存じない企業もまだ多くあります。まずはそうした選択肢が存在することを知っていただくことが大切だと思っています。

――サーキュラーテック推進室は、各事業部を横断する役割も担っていますね。
常世田:そこが非常に重要なポイントです。例えばエンタープライズ事業部は保守や運用支援に強みがあります。一方でITAD事業は買取りやデータ消去、再流通に強みがあります。これまでは、それぞれが個別のサービスとして提供されることが多かったのですが、お客さまから見れば本来ひと続きの課題です。
サーキュラーテック推進室は、その点と点をつなぎ、ワンストップで提案できる仕組みを作る組織だと思っています。実際に、サーキュラーテック推進室としてお客さまを担当し、総合的な提案も始めているんです。

――両社の連携によって、提案のあり方も変わってきているのでしょうか。
常世田:変わってきていますね。これまではお客さまの現場部門への提案が中心でしたが、今は経営層や企画部門と対話させていただく機会が増えています。それにより、単発の課題解決ではなく、「今後どういうIT資産戦略を描くべきか」「どのように循環を組み込むか」といった上流の議論ができるようになっています。

大村:この変化は大変重要です。ゲットイットの強みは、「使い続ける」と「再利用する」の両方を提案できることです。第三者保守による延命もできるし、役目を終えた機器を適切に再流通・再資源化することもできる。企業にとって重要なのは、その時々で最適な選択肢を選べること。私たちは、その両方を提供できる体制を作りたいと考えています。

市場の壁を越え、循環型ITを当たり前の選択肢に

――「循環型ITライフサイクルマネジメント」を広げる上で課題があるとすれば、どのようなことでしょうか。
大村:やはり「中古」や「第三者保守」という言葉に対する先入観はまだありますね。日本では新品志向が根強く、リユースは二次的な選択肢と見られやすい。だからこそ、品質や安全性、導入実績を積み上げながら、「安心して使える選択肢」であることを社会に伝えていく必要があります。

常世田:そもそも市場自体がまだ成熟していないんです。スマートフォンや自動車には中古市場がありますが、エンタープライズIT機器にはまだ十分な市場認識がありません。実際、提案させていただくとお客さまからは「そんなことができるんですか」と驚かれることも多いですし、制度や慣習も必ずしも追いついていません。やはり、認知を広げていくことが重要ですね。

――では最後に、3年後、5年後に実現したい未来についてお聞かせください。
大村:リユースや第三者保守が特別な選択肢ではなく、企業が当たり前に検討する選択肢の一つになっていてほしいですね。サステナビリティの観点からも、循環型の考え方は今後さらに広がっていくと思います。その中で、企業が自然に「循環型ITライフサイクルマネジメント」を選べる世界を実現したいです。

常世田:私は「ITの世界のもったいないをなくしたい」と思っています。本来価値があるものが価値を発揮できずに捨てられてしまう。それは非常にもったいないことです。リユースやリセールが最初から選択肢に入っていて、「廃棄前に考えること」ではなく「最初から設計すること」になっている。そんな状態を目指したいですね。
そのためにも、サーキュラーテック推進室で社内外のさまざまなプレーヤーをつないで、IT資産循環を企業の競争力と持続可能性を支える新たなインフラへと進化させていきましょう。

本提携に関するプレスリリース
本対談で触れた伊藤忠商事との資本業務提携については、以下のプレスリリースをご覧ください。
IT機器を循環資産に。伊藤忠商事株式会社との資本業務提携締結について
ゲットイット、事業拡張とガバナンス強化に向け新経営体制へ移行 -循環型ITライフサイクルマネジメントの実装を加速-

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