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循環型ITインフラを社会の当たり前へ。「新経営チーム」が描く次の成長フェーズとは

循環型ITインフラを社会の当たり前へ。「新経営チーム」が描く次の成長フェーズとは

2026年4月、ゲットイットは伊藤忠商事との資本業務提携を発表しました。

この提携は、ゲットイットにとって単なる事業拡大の機会にとどまりません。創業以来培ってきたリユースIT機器や第三者保守の知見を、企業のIT資産活用を支える社会インフラとして位置づけ直し、IT機器の調達、運用、保守、再利用、再資源化までを一体で設計する「循環型ITライフサイクルマネジメント」を社会へ広げていくための大きな転換点です。
本連載では、伊藤忠商事との資本業務提携を起点に、両社が目指す市場のあり方と、ゲットイットが次に描く成長戦略をひも解いていきます。
第一弾では、伊藤忠商事 情報・金融カンパニー プレジデントとして同領域を率いる野田俊介氏と、ゲットイット代表の廣田優輝が、IT機器の循環がなぜいま企業の経営課題となっているのか、両社が共に目指す市場のあり方、そして持続可能なITインフラの未来について語りました。
では、その構想を実際に社会へ広げていくために、ゲットイット自身はどのような体制で次の成長フェーズに向かうのか。
第二弾となる本記事では、創業者で代表取締役社長の廣田優輝に加え、伊藤忠商事から取締役に就任した山口恭史氏、エンタープライズIT業界で長年の経験を持つ菊川泰宏氏に、新経営チームとして目指す成長戦略、伊藤忠商事との連携によって広がる可能性、そして「循環型ITライフサイクルマネジメント」をどのように社会に広げていくのか、3人に語ってもらいました。

新たな事業フェーズを迎え、創業者経営から「チーム経営」へ

――まず、廣田さんに伺います。伊藤忠商事との資本業務提携を経て、ゲットイットはどのような成長フェーズに入ったとお考えですか。

廣田:創業以来25年間、私たちは「サーバーやネットワーク機器は新品だけではない」「リユース品も安全に活用できる」という価値を社会に伝え続けてきました。その甲斐あって、当初は限られた企業だけの選択肢だったリユースや第三者保守も、少しずつ受け入れられるようになっています。
そして今回、伊藤忠商事がこの市場に可能性を見いだしてくださったことは、リユースIT機器や第三者保守の活用が、一部の先進的な企業だけのものではなく、より多くの企業にとって現実的な選択肢になり始めていることの表れだと感じています。これまでは「リユースIT機器を使ったことがある企業」が一部に限られていました。しかし今後は、それが当たり前の選択肢になっていく。市場そのものが拡大し、社会に定着していくフェーズに入ったと感じています。

――そうした中で、なぜ今回、経営体制を新たにされたのでしょうか。
廣田:これまでは良くも悪くも「廣田の会社」という側面があったと思います。創業者である私の思いや判断が、会社の方向性に強く反映されてきた部分はありました。
ただ、先ほどお話ししたように、リユースIT機器や第三者保守が一部の企業だけの選択肢ではなく、より多くの企業にとって当たり前の選択肢になっていくのであれば、ゲットイット自身も次の段階に進まなければなりません。単に個別のお客様にサービスを提供する会社から、企業のIT資産活用をライフサイクル全体で支える存在へと進化していく必要があります。
より多くの企業、とりわけ大企業や社会インフラを支える企業に安心して選んでいただくには、経営の透明性や客観性、品質管理、ガバナンス、説明責任がこれまで以上に問われます。
今回、山口さんや菊川さんに加わっていただくことで、私一人の考えや判断だけではなく、多様な経験や視点を持つメンバーが議論し、確認しながら経営を進めていく体制をつくることができます。これは、ゲットイットが「循環型ITライフサイクルマネジメント」を社会に広げていくために必要な、経営そのものの進化だと考えています。

――「循環型ITライフサイクルマネジメント」を広げる上で、ゲットイットが強化したいことは何でしょうか。
廣田:「信頼性」でしょうか。実際に使っていただければ品質や安全性を評価いただけるのですが、金融機関や社会インフラを支える企業など、ミッションクリティカルな領域では、まだまだ慎重な見方があります。部門単位ならリユースでもいい。でも基幹システムは新品がいい――そんな考え方もまだまだ根強いですね。
だからこそ今後は、品質管理体制や運用実績、データに基づいて信頼性を証明していく必要があります。山口さんや菊川さんの知見を取り入れることで、大企業のお客様が求める説明責任やガバナンスの水準に、さらに近づけるのではないかと期待しています。

伊藤忠商事とのシナジーで広がる、事業成長の可能性

――では次に、山口さんに伺います。ゲットイットにどのような可能性を感じられていますか。
山口:私自身、伊藤忠商事で中古モバイル端末の流通事業に長く携わってきました。スマートフォン市場では、中古端末の活用がすでに当たり前になっています。一方で、サーバーやストレージ、ネットワーク機器といったエンタープライズIT機器の世界は、まだこれから大きく伸びる余地があります。
また、伊藤忠グループにはシステムインテグレーターや通信事業者向けビジネスなど、多様な顧客基盤があります。その一方で、IT機器のリユースや第三者保守という領域を一層強化していく必要があると考えていました。ゲットイットの事業は、私たちの事業ポートフォリオと非常に高い補完関係にあり、大きなシナジーが生まれると期待しています。

――具体的には、どのような形で連携を進められていくのでしょうか。
山口:「循環型ITライフサイクルマネジメント」という言葉から思い浮かぶのは、IT機器が生まれてから役目を終えるまでの流れです。新品として導入され、運用される。その後、リユースや第三者保守によって価値を延ばし、最後はリサイクルされて資源へと戻っていく。ゲットイットが強みを持つのは、まさにその中核部分です。
一方で伊藤忠グループには、新品導入・調達の前工程や、リサイクル・資源循環といった後工程にも事業基盤があります。つまり両社が組むことで、IT機器のライフサイクル全体を見据えた提案ができるようになるのです。
その中で私の役割は、ゲットイットが持つ価値を伊藤忠グループやその顧客基盤へつなぎ、より多くの企業に知っていただくことだと考えています。

――今後、特に挑戦したいテーマはありますか。
山口:まずは認知を広げ、将来的には海外展開も含めてさらに可能性を広げていきたいですね。世界にはまだまだゲットイットの価値が活かせる市場があります。社員の皆さんが世界を舞台に活躍できる会社になれば、私自身も参画した意義を強く感じられると思います。

エンタープライズ向けIT機器に求められる「信頼水準」に応える体制構築がカギ

――菊川さんは、長年エンタープライズIT業界を見てこられましたが、ゲットイットの事業はどう評価されていますか。
菊川:長くSIerの立場で新品のIT機器を扱ってきた視点からすると、法人向けITインフラ領域のリユース市場は、まだ十分に確立されていない市場だと思っています。個人向けでは中古スマートフォンも当たり前になりましたが、企業向けのサーバーやストレージ、ネットワーク機器となると話は別です。だからこそ私は、この領域が「最後の大きなリユース市場」だと考えています。
しかも近年はESGやサステナビリティへの関心が高まり、企業には環境負荷低減への取り組みが求められています。その点でも、大きな社会的意義のある事業だといえますね。

――大企業にリユースや第三者保守を選んでもらうには、何が必要でしょうか。
菊川:信頼ですね。そのためには三つの要素が必要だと考えています。一つは財務基盤。長期的に付き合える企業であること。二つ目は営業力。顧客の課題を理解し、継続的な関係を築けること。そして三つ目が技術力です。
エンタープライズのお客様は、営業担当者だけでなく、会社全体の体制を見ています。営業、技術、経営が一体となって顧客の期待に応えられるか。その総合力が問われる世界なんですね。ゲットイットはまだ発展途上ではありますが、その基盤は着実に整ってきていると感じています。

――今後、特に強化すべきポイントはありますか。
菊川:一つは、お客様との接点をさらに増やすことです。それも、事業責任者が直接お客様と対話し、課題やニーズを聞くことが大事。その積み重ねが次のビジネスを生みます。
もう一つは、第三者保守のメニュー拡充です。メーカー保守終了前から市場ニーズを予測し、先回りして準備する。そうしたスピード感が競争力につながります。
私はこれまでの経験を通じて得た知見を共有しながら、ゲットイットがより大きな成長を遂げられるよう支援していきたいと考えています。

「循環型ITライフサイクルマネジメント」の実現に向けて

――では、お三方に伺いますが、「循環型ITライフサイクルマネジメント」を実現する上での課題と、そのために必要だと思われることをお聞かせください。
山口:まずは認知だと思います。まだ多くの企業が「リユースIT機器を活用する」という選択肢そのものを知りません。ですから、まずは存在を知っていただくこと。そして実際に使っていただくこと。その先に市場拡大があります。

菊川:私が思うのは、安心感ですね。大企業というのはITインフラに対して極めて高い信頼性を求めるもの。だからこそ品質やサポート体制を可視化し、「安心して任せられる」という評価を積み重ねていく必要があります。

廣田:私は、「循環型ITライフサイクルマネジメント」は一社だけでは実現できないことだと思っています。リサイクルの歴史を見てもそうですが、社会の仕組みを変えるには多くの企業が参加し、それぞれの役割を担う必要があります。
私たちは、その中核となるインフラを担いたい。不要になったIT機器を回収し、整備し、再び価値ある資産として社会に循環させる。この領域は、誰もが手を出したがる場所ではありません。だからこそ、終わったと言われたものに本気で向き合ってきた私たちがやる意味があると思っています。その基盤を日本で最も信頼されるレベルまで高めていきたいと思っています。

――最後に、3年後、5年後にどのような姿を目指していますか。
山口:市場の認知を大きく広げ、事業としても大きな成長を実現したい。そこで、ゲットイットが業界を代表する存在になっていることを期待しています。

菊川:伊藤忠グループをはじめ、多くの大企業に活用されている状態を目指したいですね。「あの企業が使っているなら安心だ」。そう思っていただける実績を積み重ねていきたいと思います。

廣田:私は、日本を代表する企業に使っていただける存在になりたいと思っています。自動車、金融、製造、通信――それぞれの業界を代表する企業が、当たり前にリユースや第三者保守を活用している。そんな世界を実現したいですね。
そしてその先に、「IT機器は循環するのが当たり前」という社会をつくりたい。捨てるのではなく、価値ある資産として使い切るのです。「循環型ITライフサイクルマネジメント」は、単なるコスト削減策ではありません。企業経営と持続可能性を両立させる、新しいITインフラのあり方です。この経営チームで、その社会実装を目指していきます。

本提携に関するプレスリリース
本対談で触れた伊藤忠商事との資本業務提携については、以下のプレスリリースをご覧ください。
IT機器を循環資産に。伊藤忠商事株式会社との資本業務提携締結について
ゲットイット、事業拡張とガバナンス強化に向け新経営体制へ移行 -循環型ITライフサイクルマネジメントの実装を加速-

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