第三者保守は、積極的なIT投資を進めるための戦略的な手段です。出光興産では、IT投資を重要な全社戦略と位置づけ、大規模なITシステムを自社で開発・運用しています。既存システムの安定稼働と新規アーキテクチャの構築は事業の生命線であり、第三者保守はそれを縁の下の力持ちとして支えています。本記事では、同社が第三者保守を導入した経緯や狙い、効果についてご紹介します。
CORPORATE INTERVIEW
第三者保守は、積極的なIT投資を進めるための戦略的な手段です。出光興産では、IT投資を重要な全社戦略と位置づけ、大規模なITシステムを自社で開発・運用しています。既存システムの安定稼働と新規アーキテクチャの構築は事業の生命線であり、第三者保守はそれを縁の下の力持ちとして支えています。本記事では、同社が第三者保守を導入した経緯や狙い、効果についてご紹介します。
保守対象機器
課題
導入の効果
お話しを伺った方
出光興産株式会社 デジタル・ICT推進部 デジタルプラットフォーム課 チームリーダー 後藤 直子さま
出光興産株式会社 デジタル・ICT推進部 デジタルプラットフォーム課 天野 貴浩さま
出光興産株式会社 デジタル・ICT推進部 デジタルプラットフォーム課 後田 凌さま
ーー 本日はお忙しい中、ありがとうございます。まず、貴社のビジネスと、皆さまが所属されているデジタルプラットフォーム課の役割について、簡単にご紹介いただけますか。
後藤さま:出光興産は、石油製品や石油化学製品、さらには再生可能エネルギーや水素など、エネルギーと素材の分野で多角的に事業を展開しており、20か国以上の地域で事業を手がけています。近年はカーボンニュートラルや循環型社会の実現に向けた新規事業開発にも注力しています。
私たちが所属するデジタルプラットフォーム課は、国内外の事業を支えるITインフラのすべてを担っています。具体的には、サーバー、ストレージ、ネットワークのシステム設計から運用までを一元管理し、24時間365日の安定稼働を支える役割を担っています。
ーーまさに会社の心臓部と言える役割ですね。IT投資への積極的な姿勢も伺っております。
後藤さま: はい。私たちは「システムが止まると業務が継続できない」という危機感を常に持っています。事業活動はITシステムなくしては成り立たず、それは最終的に出光興産のお客さまへのサービス提供にも影響します。私たちのデジタル・ICT推進部は200名を超える社員で構成されており、1000台以上のサーバーを管理しています。これは一つの会社として成立するほどの規模ですが、現場に近い立場で、使いやすいシステムを迅速に開発・運用を進めるという戦略のもと、自社でシステムの開発や運用をしています。

ーーそのような大規模なITインフラを運用する中で、第三者保守の導入を検討された背景にはどのような課題があったのでしょうか。
天野さま: 2022年に、これまでデータセンターのオンプレミス環境で運用していたシステムを、クラウドリフトする方針が決まりました。2026年3月までにデータセンターをクローズすることになったのですが、大規模なシステムのクラウドリフトには多くの労力と時間を要します。その移行期間に保守切れを迎える機器も出てくるわけですが、数年だけの利用のために新しい機器に買い替えることは避けたく、かといって保守なしでシステムを稼働させるというリスクは冒せない。そんな時に見つけたのが第三者保守サービスでした。

後藤さま:単に機器を入れ替えるだけでなく、ハードウェアの上に載る600以上の複雑なアプリケーションの再構築も必要です。私たちは、単なる更新ではなく、新しい技術を取り入れることでより最適なシステムを構築したいと考えています。そのためには、新技術の選定や検証にも十分な時間を確保する必要があり、その期間が長期化する課題があったのです。
ーーなるほど。単純な置き換えではない、より高度なシステム戦略が必要とされたわけですね。
後藤さま: その通りです。社内では「次期アーキテクチャへの移行」として中期計画を立てていました。しかし、この再構築期間においても、保守がない期間を設けるわけにはいきません。第三者保守は、この移行期におけるシステムの安定稼働を確保し、私たちが未来のアーキテクチャ設計と検証に集中できる環境を提供してくれる点で、非常に重要な役割を担っています。
ーーそのような課題を解決するために、第三者保守というサービスにたどり着いたわけですね。なぜ、数ある第三者保守の会社の中からゲットイットを選ばれたのでしょうか。
天野さま: 決め手となったのは、豊富な機種への対応力です。他社では対応が断られた機器でもゲットイットさんでは対応が可能で、そのカバレッジの広さに惹かれました。複数の会社に保守を依頼すると管理が煩雑になるため、まとめてお願いできることは大きなメリットでした。
初めて第三者保守を利用するにあたって、「正規のサービスではないので大丈夫だろうか?」という不安は正直ありました。しかし、ゲットイットさんの営業担当の方が非常に丁寧に提案してくださり、導入までのフローを明確にしてくれたことで、不安が払拭されました。
ーー実際に導入されて、どのような価値を感じられましたか?
後田さま: 余計な投資を避けつつ安定的な稼働を実現できる点です。例えば、Check Pointという海外ベンダーの機器は、メーカー保守終了後も、第三者保守により2年間サポートを継続しました。これにより買い替えのコストを削減しつつ、安心してシステムを継続利用することができました。

後藤さま:実際に障害が発生したときも、メーカー保守と比べて対応に大きな違いは感じませんでした。第三者保守を継続して活用していこうという後押しにもなりましたね。
ーー導入から運用までの間で、特に印象的なエピソードはありますか?
天野さま: ゲットイットさんの倉庫を見学させていただいたことです。倉庫に足を踏み入れると、様々なメーカーの、今ではなかなか手に入らないような希少な機種がずらりと並んでいて、非常に驚きました。
後藤さま:実際に現場を拝見して、第三者保守と買取りサービスが密接に連携していることを理解できました。買取りという流通網を抱えているからこそ、幅広い機種に対応できるというビジネスモデルの面白さを改めて実感しました。
ーー今後の第三者保守の活用について、展望をお聞かせください。
後藤さま: 当社の今後の大きな計画として、データセンターの閉鎖があります。それに伴い、物理機器は段階的に集約・縮小していきますが、一部の機器は拠点に残ります。それらの更新が難しい場合、第三者保守は今後も不可欠な選択肢になると考えています。
後田さま:また、先ほどお話した買取りサービスも積極的に活用していきたいです。これまでは機器を廃棄していましたが、これをゲットイットさんに買取っていただくことで、廃棄物の削減、ひいては循環型社会の実現にも貢献できると考えています。
ーー最後に、ゲットイットへの期待や、ご意見などございましたらお聞かせください。
後藤さま: これからも、対応できる機種の種類を豊富に維持していただけると、私たちのような企業にとっては非常に助かります。今後もゲットイットさんには、信頼できるパートナーとして、他社が真似できないユニークなサービスを提供し続けてくれることを期待しています。
ーー本日は貴重なお話をありがとうございました。

出光興産さまの事例は、新たなIT基盤を設計・構築するための戦略的な手段として第三者保守を活用した好例です。第三者保守は、企業が自社のIT戦略に基づき、リソースを柔軟かつ主体的に配分することを可能にします。
同時に、買取りサービスを活用することでサステナビリティや循環型社会にも貢献することができます。ゲットイットはこれらの「循環型ITソリューション」を用いて、戦略的なシステム投資を目指す企業の課題解決をサポートします。
システムの延命やコスト最適化にお悩みの企業さまは、ぜひゲットイットにご相談ください。
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