2023年08月21日
【トヨタ自動車さま第三者保守事例】第三者保守の活用でNECサーバー・ストレージを延命利用。ベンダーと協力して保守体制を構築した、トヨタ自動車さま第三者保守の導入事例
第三者保守の活用でNECサーバー・ストレージを延命利用。ベンダーと協力して保守体制を構築した、トヨタ自動車さま第三者保守の導入事例

愛知県豊田市に本社を置く、日本最大手の自動車メーカーであるトヨタ自動車さま。NECサーバー、ストレージのベンダー保守が延長できなくなり、課題を抱えていました。解決策として、ゲットイットが第三者保守によるNEC製品の延長保守を提供し、ベンダーが定期点検を行う体制を構築。本プロジェクトの担当者である高林さまと高橋さまに、導入までの経緯やゲットイットのサービスを利用した感想についてお話を伺いました。

保守対象機器

  • NEC Express5800/R120d-2M
  • NEC iStorage M100ディスクアレイ  等
課題

  • 生産指示システムが稼働するNEC製サーバー、ストレージのベンダー保守が切れ、保守更新ができなくなった
  • 保守切れによって、生産指示システムの運用リスクが高まる可能性があった
導入の効果

  • 第三者保守を活用することでNECサーバー、ストレージの保守継続が可能になり、保守にかかるコストも安くなった
  • ベンダーとゲットイットが協力し、ベンダー点検+第三者保守による万全な保守体制を構築した
トヨタ自動車株式会社 車両製造技術開発部のお二人

お話を伺った方

(写真左)トヨタ自動車株式会社 車両製造技術開発部 高橋 敏貴さま
(写真右)トヨタ自動車株式会社 車両製造技術開発部 高林 龍彦さま

 

トヨタの車両生産を支える「生産指示システム」。NEC製サーバー、ストレージの保守切れでシステム維持が困難に

ーーお二人の部署ではどのようなお仕事をされているか、仕事の内容について簡単にご説明いただけますか。

高林さま 私の所属する部署は車両製造技術開発部で、トヨタの工場の中で車の生産ラインを作る部門です。車を製造するためには工場内に生産ラインを引き、生産に必要なロボットや設備を配置します。設備が配置された後には、生産ライン全体を動かすためのシステムが必要です。私たちの部署では、この生産ラインを動かすための「生産指示システム」の開発と導入、運用から保守を含めて一気通貫で行っています。

トヨタのグローバル工場は世界に40箇所以上あり、本システムを使用して車を製造している工場は全体の約95パーセントに上ります。私たちは世界中にある工場に生産指示システムを導入して、運用と保守を行っています。

ーー今回、ゲットイットの第三者保守を導入した経緯をお聞かせください。どのような課題があり、解決策として第三者保守が必要になったのでしょうか。

高橋さま 今回、私たちが第三者保守を採用した機器は、先ほど説明した生産指示システムが稼働するNEC製のサーバーとストレージです。対象システムとハードウェアは、愛知県豊田市の堤工場にあります。生産指示システムは、だいたい10年を機にシステムを更新して世代交代を行いますが、その間IT機器は同じ機種を使い続けます。

今回は堤工場向けの新しいシステムの導入が遅れてしまい、その結果、ベンダーがサポートできる保守期間が終わってしまったのです。解決する手段がないかベンダーに相談したところ、ベンダーからゲットイットさんを紹介して頂いたのが、第三者保守を検討したきっかけです。

トヨタ自動車株式会社 車両製造技術開発部 高橋さま

第三者保守によってNECサーバーの保守を延長。ベンダーと協力した第三者保守活用の体制を構築

ーー第三者保守を採用するにあたり不安に思われた点や、ベンダー保守との違いがあれば教えてください。また、今回の第三者保守の導入を決定する上で、どのような点を重視されましたか。

高橋さま 第三者保守についてハードウェアの採用は初めてでしたが、ソフトウェアでは10年近く第三者保守を利用している実績があります。また、昨今はハードウェアの第三者保守が広く普及しており、さまざまな場所で実績があることから、第三者保守を採用することに抵抗はありませんでした。

一方で、第三者保守の採用にあたり危惧した点は、実際に問題が起きたときにゲットイットさんが「どれだけの速さで堤工場に到着できるか」「交換作業は素早く対応できるのか」についてです。また、ベンダー保守との違いについては、ベンダーの場合ですとハードウェアのほかにソフトウェアも理解されています。ハードウェアとソフトウェアの両方の対応が期待できる点が、ベンダー保守のメリットといえます。

今回、第三者保守ではソフトウェアの保守サポートが難しい点を踏まえて、第三者保守を活用したサポート体制について、ベンダーと保守体制を慎重に議論しました。

その結果、本システムの保守は引き続きベンダーにも関与頂き、毎年GWに行う定期点検はベンダーに継続して実施頂きます。そして、点検時にもしサーバー本体に問題があったときの対応を、ゲットイットさんにお願いする形となりました。

私たちが一番気にしていた「堤工場までの駆けつけ時間と対応」については、ゲットイットさんが名古屋地区にサービス拠点を設けて対応頂けるとのことで、安心いたしました。

ーー第三者保守を検討してから導入に至るまでの間で、印象的なエピソードはございますか。

高林さま 今回、私たちが第三者保守を採用した機器は、先ほど説明した生産指示システムが稼働するNEC製のサーバーとストレージです。対象システムとハードウェアは、愛知県豊田市の堤工場にあります。ゲットイットさんとベンダーと共に、サーバーの設置場所である堤工場に見学に行ったときの対応が印象的でした。ゲットイットさんに現地のサーバーを見て頂きましたが、サーバーの中身やドキュメントをチェックする様子が非常に場慣れしており、経験豊富な印象を受けました。

また、実際に保守を行う上で決めなければならないことを、ベンダーや私たちに的確に質問頂き、会話も非常にスムーズでした。ゲットイットさんの現場での対応を見て、これなら安心してお任せできそうだと感じました。

トヨタ自動車株式会社 車両製造技術開発部 高林さま

ーー今回の第三者保守の導入によって解決できた課題や、得られた効果について教えてください。

高林さま 今回の第三者保守の対象となるNEC製の機器の上では、私たちが開発・運用・保守を手掛ける生産指示システムが動いています。生産指示システムは、自動車の生産ラインと直結するもので、この生産指示システムが動かないと車の生産が止まってしまいます。生産ラインは、たとえ数分間の停止だけでも大きな損失となるため、停止は絶対に避けなければなりません。

当然、システムが止まらないための仕組みを設けており、ここにハードウェアの保守も絡んできます。ハードウェアの冗長化や二重化などの仕組みに加えて、障害が起きた際の迅速な保守体制が必要です。本システムが稼働する機器の保守がなくなってしまうのは大きなリスクであったため、第三者保守の恩恵は非常に感じています。また、ベンダーの延長保守から第三者保守に切り替えたことで、サーバー保守に掛かるコストを下げることができました。

第三者保守はシステム更新時の新たな選択肢。ハードウェア保守切れ問題を解決し、システムの更新時期を調整

ーー第三者保守の活用について、今後の展望があればお聞かせください。

高林さま 私たちの部署では、生産指示システム以外に別のシステムの開発・保守・運用も手掛けています。今回の生産指示システムと似たようなケースで、アプリケーションを新しくする必要がないのにハードウェアの保守が切れてしまい、ハードウェアを買い替えなければならない場面はたびたび発生します。このような場面は時と場合によっては、私たちに不利益を及ぼすことがあります。
 本課題を解決する手段として、第三者保守が有効だと感じました。第三者保守によって、ベンダー保守と品質が変わらないサービスを受けられるのであれば、システム更新を行う際の有力な選択肢の一つになると考えています。今回の案件を通じて、これまで知らなかった第三者保守サービスを知ることができ、私たちにとって「第三者保守という新たな選択肢」を頂けたと感じています。

ーー本日はお忙しい中ありがとうございました。

 

トヨタ自動車株式会社 車両製造技術開発部のお二人とゲットイットメンバー
トヨタ自動車株式会社
社名 トヨタ自動車株式会社
主な事業内容 自動車の生産・販売 など
設立 1937年8月28日
URL https://global.toyota/jp/

※ページ上の内容は2023年8月時点の情報です。

第三者保守を活用することでハードウェア保守問題を解決し、既存システムを延命して有効利用できます。第三者保守を活用して「ハードウェア保守の問題」や「システム延命の問題」を解決したいクライアントさまやSIerさま、ぜひゲットイットにご相談ください。ゲットイットがクライアントさまの課題を共に解決いたします。
マーケティング担当 武

インタビュアー
株式会社ゲットイット
マーケティング担当 武
営業担当 松本

担当営業
株式会社ゲットイット
営業本部 営業担当 松本