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CORPORATE INTERVIEW

IT資産の「循環」が、長期安定稼働の新たなスタンダードに。東芝グループとゲットイットが共創する、持続可能な保守部材エコシステム(前編:買取りサービス)

IT資産の「循環」が、長期安定稼働の新たなスタンダードに。東芝グループとゲットイットが共創する、持続可能な保守部材エコシステム(前編:買取りサービス)

東芝デジタルソリューションズ(以下、東芝)は、社会インフラなど長期安定稼働が不可欠な領域を支えています。しかし、正規の保守部材が枯渇し、長期利用を望むお客さまへの継続的なサポートが困難になるという、業界全体の課題に直面していました。
一方で、社内やお客さま先には、保守延長の鍵を握る貴重なIT資産が、役目を終えて眠っているという事実もありました。この「保守継続へのニーズ」と「眠れる資産」を繋ぎ、IT資産を循環させる新たなスキームを構築するため、同社はゲットイットと連携。「廃棄」が主流だったプロセスを見直し、第三者保守と連携することで、お客さまの事業継続をより強固に支える体制を整えました。なぜ同社は、既存の枠組みを越えて「責任あるリユース」の仕組み化に挑んだのか。本スキームの立役者である東芝の三谷さま、清水さま、中村さまに、その舞台裏を伺いました。

対象機器

  • 東芝製品

課題

  • 製品のライフサイクル終了(EOSL)に伴い、正規の保守部材の調達が困難になり、長期稼働を望むお客さまへの対応が課題となっていた。
  • 保守部材として再活用可能な資産が一部で廃棄されており、それらを安全かつ効率的に回収・再利用するための社内スキームが未整備だった。

導入の効果

  • 「循環型保守」の実現: ゲットイットをハブ(仲介役)とすることで、社内外の余剰資産を保守部材として再定義し、安定供給できる体制を構築。
  • 高度なセキュリティと環境負荷低減: セキュリティを担保しつつ、資源を有効活用する体制を実現。
  • 顧客満足度の向上: 「延命」や「買取り」という柔軟な選択肢が提示可能になり、お客さまの投資最適化と事業継続を支援。

お話しを伺った方

(写真左)
東芝デジタルソリューションズ株式会社
デジタルエンジニアリングセンター マネージドサービス第四部 部長 中村 寛男さま

(写真中央)
東芝デジタルソリューションズ株式会社
デジタルエンジニアリングセンター 企画部 技術資産管理担当 マネジャー 三谷 ひかるさま

(写真右)
東芝デジタルソリューションズ株式会社
デジタルエンジニアリングセンター インフラシステム保守部 部長 清水 毅さま

※取材当時:2026年2月現在

部品がないのに、捨てている。「もったいない」の解消が原点

ーーまず、皆さまの役割と、今回の買取りスキーム導入の背景を教えてください。

三谷さま:私は当事業所でIT資産管理を担当しており、PCやサーバー、ネットワーク機器などの選定・購入や、棚卸・リプレイスを推進しています。その一環で、年2回、各部署で使用しなくなった機器を集約して処分を行います。これまでは集約した機器の多くを、費用をかけて廃棄業者に引き渡していました。「まだ使えるのにもったいない」とは思いつつも、有効活用の手立てがなく、捨てるしかなかったのが実情でした。

中村さま:私は製品・保守を担当していますが、現場はまったく逆の悩みを持っていました。つまり、「保守部材が枯渇しつつある」のです。お客さまのシステムを長く守りたくても、保守部品が枯渇している。一方で、第三者保守という仕組みと連携することで、守れるシステムがあることも事実で、そう考えると、社内の別の部署では、喉から手が出るほど欲しいその部品を「廃棄」している……。この「社内で捨てて、社内で困っている」という矛盾を打開して、そのスキームの一部となれるのではないかと考えました。

ーー社内でマッチングして再利用することは難しかったのでしょうか。

三谷さま:ハードルは非常に高かったです。東芝グループでは、「よき企業市民」としての責任を果たす中で、様々な課題を抱えていて、時には失敗することもありました。会計や輸出管理に始まり、情報セキュリティやSDGsなど時代の要請も取り入れて、できるだけ多くの視点から課題に対処しようとした結果、複数の部署がルールの策定や運営にかかわるようになり、会計上の処理や資産の受け渡し手続きが複雑になっていきました。
以前、廃棄予定の機器について社内で「欲しい人はいませんか」と呼びかけるような試みもあったのですが、いざやってみようとすると様々なハードルに直面します。開発現場の皆さんは商品を作ることが本来の業務ですから、社内手続きが複雑だと「めんどくさい」と感じてしまい、協力が得にくくなります。いっぽうで、私は「現場に近い管理部門」として、現場に寄り添うだけでなくルール順守をうながす立場でもあります。勝手に手続きを簡略化するわけにはいかないのです。しかし、影響を検証して、安全性と利便性のバランスをとっていくには、ノウハウも時間も不足していました。

しかし、一歩引いて考えてみると、私どもの仕事は、お客さまと会話して、第三者の視点から課題を整理して解決することです。自分たちで解決できないなら、同じように外部の力に頼ればよい。そこで、ゲットイットさんのような外部のプロを「ハブ(仲介役)」にすることで、その壁を越えられるのではないかと考えました。すでに第三者保守で連携実績があり、認証付きデータ消去まで含めて任せられるゲットイットさんという「ハブ(仲介役)」があって初めて、現場で回る仕組みに落とし込めたのです。

倉庫見学で目の当たりにした「自社製品」の山

ーーゲットイットをパートナーに選んだきっかけは何でしたか。

中村さま:きっかけは、ゲットイットさんの倉庫見学でした。そこには、我々が探しても見つからなかった東芝製の保守部材が、在庫として確保されていたんです。「これ、どこから来たんですか?」と尋ねると、「御社から買い取ったものもあります」という話が出てきて。

探しても見つからず困っていた保守部材が、ここでは『資産』として大切に管理されていたのです。この事実には衝撃を受けました。『捨てないで売ってくれれば、ゲットイットさんに第三者保守してもらえるのに!』と痛感し、三谷のもとへ行って『なんとかしてくれ』と頼み込んだのです。

清水さま: 私はお客さまの保守窓口を担当していますが、ゲットイットさんとは既に第三者保守で連携実績がありました。特殊機材も含め保守部材として有効活用できるという信頼感があったので、買取りについても安心して相談できました。

ーー導入にあたり、社内の調整は大変だったのではないでしょうか。

三谷さま:そうですね。非常に高いハードルがありました。我々はメーカーとして製品を作って売ったり、その過程で出た廃棄物を処分するプロセスは確立されていますが、「使い終わったものを買い取ってもらう」フローは、あまり整備できていませんでした。法務、経理、セキュリティ……あらゆる部署に確認を取り、「単純に廃棄すれば確実だけれども、再利用は新たなビジネスの種。安全なプロセスはちゃんと条件を整理すれば実現可能ですよ」というアプローチで順番に調整していく必要があり、合意形成にはかなりのエネルギーを要しました。

特にセキュリティの壁は厚かったですね。当社では早くからISMS(情報セキュリティマネジメント ISO27001)の認証を取得し、お客さまからお預かりした情報や設計資料の保護に力を入れてきました。安全を優先する意識が強く、サーバーのHDDなどを「物理破壊」してスクラップにする手順となっていました。そのため、どんなに状態が良い機器であっても、再利用への道が閉ざされていたのです。

しかし、ゲットイットさんはデータ消去の第三者認証を取得しており、物理破壊に頼らずとも確実にデータを消去できる技術をお持ちです。「破壊せずに、安全を担保できる」。この安心感と、第三者保守の連携の実績が相まって、社内の厳しい基準をクリアし、リユースへの扉を開く決め手になりました。

「最後の後始末」まで責任を持つ。それが未来への責任

ーー買取りスキーム導入後、どのような効果を感じていますか。

中村さま:最大の効果は、社内で廃棄されていた資産が「第三者保守の部材」として循環し始めたことです。捨てる側は廃棄コストを削減でき、保守する側は枯渇していた部材を確保できる。そして何より、お客さまはシステムの延命が可能になる。グループ全体で資産を有効活用し、価値を生み出す「三方よし」の循環が生まれました。

三谷さま: こうした循環が回り始めたことで、「保守部材の確保」と「セキュリティ確保」を両立したモデルケースとして、社内でも説明しやすくなった点は大きいです。お客さまの事情でリプレイスが難しい局面でも、第三者保守と買取りを組み合わせて「当面動かす」道筋を示せるため、次期システムの準備や提案につなげる時間を確保しやすくなります。また、仕組みとして整備したことで、現場対応として都度、工夫するだけで終わらせず、横展開していく土台が整ったのも、大きなメリットです。

清水さま: お客さまに対しても、「リプレイスか、廃棄か」という二択だけでなく、「買取りによる資産化」や「部材活用による延命」という新たな選択肢を提示できるようになりました。メーカーとして新品へのリプレイスをご提案するのが本筋ですが、それが叶わない場合の「次善の策(セーフティネット)」を用意できることは、お客さまの事業継続を支援する上で大きな価値があります。

ーー今後の展望をお聞かせください。

中村さま:4月からは、産業用PCやサーバーを多く保有する重要拠点にも、このスキームを広げていく計画です。現場には引き続き、「捨てないで売ってください」と言い続けていきます。それが単なる不用品処分ではなく、我々の製品を長く愛用してくださるお客さまを守ること(保守)に直結するからです。

三谷さま:これまでは「作って売る」ことが最優先でしたが、これからは「使い終わった後の始末」まで責任を持つことが企業の使命です。SDGsや環境経営が強く求められる今、ゲットイットさんと連携し、廃棄を減らして資源を循環させる「サステナブルなビジネスモデル」を、東芝グループ全体に広げていきたいですね。

ーー本日はお忙しい中、ありがとうございました。

東芝デジタルソリューションズさまの事例は、メーカー内部で生じていた「部材不足」と「廃棄」という矛盾を、ゲットイットをハブ(仲介役)とすることで解消した「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」を具現化したモデルケースです。ポイントは、セキュリティや社内ルールの高い壁を「第三者認証」等の信頼で乗り越え、単なるコスト削減ではなく「メーカーとしての責任(後始末)」としてリユースを定着させたことにあります。この仕組みにより、廃棄を減らしながら顧客の事業継続を支える、持続可能なサプライチェーンが構築されました。

社内に眠るIT資産の有効活用や、セキュリティを担保した「戦略的な買取り・リユース」をご検討の企業さまは、ぜひゲットイットにご相談ください。「廃棄」を「資源」へ。豊富な知見を持つ私たちが、貴社のサステナブルな挑戦を全力でサポートいたします。

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※このページの内容は2026年3月時点の情報です。
※東芝デジタルソリューションズ株式会社は、2026年4月1日に株式会社東芝に統合されます

 

第三者保守サービスについて解説した「東芝デジタルソリューションズさまと東芝ITサービスさまの第三者保守サービスインタビュー(後編)」も併せてご覧ください。
メーカー品質を維持し、顧客をつなぎ止める―東芝グループが構築した第三者保守の活用術(後編:第三者保守サービス)

東芝デジタルソリューションズ株式会社
企業名
東芝デジタルソリューションズ株式会社
主な事業内容
東芝グループのデジタルソリューション事業の中核を担う企業。IoTやAIを活用したデジタル変革を推進し、製造、社会インフラ、流通、金融など幅広い分野で、社会やお客さまの課題解決に貢献するソリューションを提供している。
設立
2003年10月1日
URL
https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution.html

インタビュアー

武

株式会社ゲットイット
マーケティング担当

担当営業

渡辺

渡辺

株式会社ゲットイット
エンタープライズ事業部
営業担当

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