こんにちは。
卓上遊戯倶楽部 略して遊部の平野です。
お元気ですか。
先日、後輩から「おじさん」と言われました。
気のせいかなと思いスルーしたのですが、
2度目の「おじさん」は聞き逃せませんでした。
「まだおじさんではない」「まだ十分に若いはず」「まだ一応20代だぜ」と悔しくて拳を握りしめましたが、
それを彼にぶつけることはできませんでした。
年齢と外観から「おじさん」を否定できなくなっていく自分がいたからです。
見てくれも否定できないほどおじさんに近づいています。
高校の時からすでに「お父さんの背中」と言われていましたからね。
こうして私は「おじさん」を受けれました。
俺はおじさんだ。
そんな話をすると彼は私のことを「おじいちゃん」と呼ぶかもしれません。
その時は社会的な立場を捨て、
一人の男としてのプライドを拳に変えて彼にぶつけることでしょう。
◆開催日:2019年4月26日
◆場所:勝どき区民館
◆参加者: 7人
<今回のラインナップ>
*ガイスター
*スコットランドヤード 東京
平成最後の卓上遊戯倶楽部を行いました。
■ガイスター
社長から教えてもらいました。
めっちゃ面白かったと言っていました。
知ってはいたけど2人用だしな・・・と敬遠していたのですが、
めっちゃ面白かったです。
ガイスターはドイツ語で「幽霊」という意味です。
チェスや将棋よりも少ないコマでシンプルながら
奥が深い心理戦ができてしまう素敵なゲームです。
全員口々に「面白い」と言っていました。
自分の4つの青いおばけと4つ赤いおばけ、計8つのコマを進めて
下記勝利条件のうちどれかを達成するゲームです。
ちなみに青と赤のしるしは相手に見えないようになってます。
・相手の青いおばけを全部取る。
・自分の赤いおばけが全部相手に取られる。
・自分の青いおばけのひとつを相手側にある脱出口から外に出す。
青いおばけが良いやつなんですけど、そいつを屋敷から脱出させてあげるぜ。
一匹でも逃がしたら勝ちです。みんな成仏。
相手の青いおばけは全員捕まえて成仏させてあげてください。
赤いおばけは悪いおばけです。
相手の赤いおばけを全部捕まえたらもう呪われますよ。
って言うストーリー進行でいいっすか。
僕らはスコットランドヤードの前哨戦としてプレイしました。
基本戦術としては「赤を囮にして脱出口に青を持っていく」です。
とりあえずペアを変えつつ全員でプレイしました。
初参加の彼はボードの右側のおばけで相手の注意を引きつけて
左側の脱出口から出るという高等テクニックを見せつけました。
また、コマはぎりぎりまで取って相手のコマを少なくするという戦法を習いました。
さっすが。
皆のガイスター体験はこれで終わったのですが、
僕にとってのガイスターはこれが本当に前哨戦でした。
ちなみにスコットランドヤードは、また僕がMr.Xで、また時間に焦って負けました。
全員で電車を抑えんじゃねえ!が僕から部員達へのメッセージです。
1週間後、一人の同級生が家に来たのでガイスターで遊びました。
結局2時間近くぶっ続けでプレイすることになりました。
なぜか。
それは脱出するよりも100倍嬉しい勝ち方をみつけてしまったのです。
そう。「自分の赤いおばけが全部相手に取られる。」です。
「取られる」?違います。「取らせる」です。
自分のコマを「取らせて」勝つんですよ!
ガイスターは!!
「あれ?俺の赤いおばけ全部とってない?俺の勝ちだよ。やったぜ。」
「え、何それ。すっげえ悔しい。俺もその勝ち方したい。もう一度だ。」
いかに相手に赤を取らせて勝つかの戦いがスタートしました。
「最初に赤を全て突撃させて相手に4つ取らせる」という戦法が誕生しました。
同時に取れるコマは取りつくしてました。
習った通りです。
荒れる荒れる、場が荒れる。
そして相手も自分も赤を3つ取ってしまった状態の心理戦が凄まじかったです。
「どれだ?どれだ?最初の動きは・・・あれは・・・確か・・・」
序盤は分かりやすいです。
初期位置は自分で配置できるのですが、2人で同じ戦術を取った時点でもう分かります。
前方4つが必ず赤です。
赤取らせたいもん。
4つ取って悔しがってるところをドヤ顔で指差して高笑いしたいもん。
動かし方も同じです。
お互い全コマ突撃して相手に取らせまくる将棋でも中々お目にかかれない殺し合いです。
前方列への警戒を逆手に前方を4つを青にして脱出を目指す戦法も生まれました。
自分の赤だけ自分の陣地に進み過ぎたために
相手の青が脱出口近くに行ってしまうのを阻止できないとかもありました。
このゲームは本当に詰んだ瞬間がよく分かります。
動かせるのは1ターンに1コマだけ、しかも1マスしか動かせないのです。
で、相手がもう2マスで脱出。
でもそれを阻止するにもコマが足りない、
脱出するにもいるところはボードの真ん中よりちょっとだけ相手側。
「今から行っても脱出目指しても絶対に間に合わねえじゃん!そのコマ絶対に青だよ!詰んだ!絶対に詰んだ!」
「いや分からないよ、ワンチャン赤かもしれないよ、さすけねえ、さすけねえ」
つって青で脱出した時のドヤ顔ね。
コマ投げつけたくなるよね。
投げつけ、投げつけられました。
そんな楽しく遊べるボードゲーム「ガイスター」です。
詳しい遊び方は「ゲッサン」」(小学館)で連載中の「放課後さいころ倶楽部」」(中道裕大)の
単行本2巻に書いてあるので読んでください。
僕らのように最後に人を嘲笑って勝つような遊び方はしてないはずですよ。
確か。