2021年04月09日
HDDとは異なるSSDのデータ消去とは。 4月22日(木)14:00~ 無料WEBセミナーご案内

データ消去のスペシャリストが解説:SSDのデータ消去とは?

株式会社ゲットイッは、2021年4月22日(木)14:00~15:00に「SSDのデータ消去」についてのウェビナーを開催します。

 

データ消去において今後求めらるSSDへの対応

2019年末の神奈川県HDD転売・情報流出事件、2020年12月28日の総務省「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和2年12月版)」の公開など、近年、「データ消去」と関連するニュースが報道され、IT機器廃棄/売却時のデータセキュリティに対する関心が高まっています。

一方で、データ消去措置の対象となる記憶媒体がHDD(ハードディスクドライブ)からSSD(ソリッドステートドライブ)へとシフトしてきており、データ消去の手法についても、SSDへの対応が課題となっています。市場調査によれば、2020年のSSDの出荷台数はおよそ3億1,500万台、HDDは2億6,000万台で、初めてSSDの出荷台数がHDDを上回りました(株式会社テクノ・システム・リサーチ調べ)。IT機器の多くは5~7年で入れ替わるため、今後、IT機器の処分/売却時のデータ消去ではSSD搭載機器が主流となることが予測されます。

HDDとSSDの両記憶媒体は極めて高い互換性が保たれているため、ユーザーレベルにおいてその差異が認識されることはありません。しかし、背後にある動作原理は大きく異なっており、廃棄/売却する際のデータ消去については注意が必要です。

 

 

HDDとSSD、異なるデータ消去方法

HDDに用いられている記録方式は、飽和磁気記録と呼ばれる磁性体の特徴を利用しており、既にデータが書き込まれている部分に対してデータの消去を目的とする作業を行うことを必要とせず、直接新たなデータを書き込むことでデータを完全に書き変える方式です。このためHDDでは、「データの書き込まれているセクタに対して、無意味なデータを上書きする」ことだけでデータ消去の結果を得ることができます。

これに対して、NAND型フラッシュメモリを使用するSSDでは、メモリ素子の電極に一定の電荷を保持させることでデータの値を記録しており、データを書き替えるためには電極に電荷の無い初期状態に戻す動作を必要としており、また、セクタ単位のデータ操作ができないため、高速性能の向上とHDDとの見掛け上の互換性を維持することを目的に記憶媒体上の論理アドレス(セクタ番号)の振り直しを頻繁に行うため、HDDで行われている「データの書き込まれているセクタに対して、無意味なデータを上書きする」ことでは、HDDと同様なデータ消去結果を得ることはできません。

本ウェビナーでは、データ消去・データ復旧の両分野のスペシャリストであり、ADEC(データ適正消去実行証明協議会)技術顧問でもある沼田理氏が、SSDのデータ消去の理解に必要な知識を分かりやすく解説します。

 

 

「データ消去」に関する理解促進と、循環型経済モデルへの貢献

株式会社ゲットイットでは、HDDやSSDなどの動作原理も含めて、データ消去についての理解を広めていくことが、安心して機器をリユースできる循環型経済モデルの形成に不可欠であると考えています。データ消去についての正しい知識の普及によって、より多くの自治体・企業などがIT機器の物理破壊による廃棄を見直すことで、IT資産のリユースを促進し、循環型経済の形成に貢献したいと考え、今回のウェビナー開催に至りました。

 

 

ウェビナー基本情報

◆日時:2021年4月22日(木)14:00~15:00
◆主な内容:
・データ復旧ソフトでデータの復元が可能なのは、どのような場合か
・HDDとSSDの互換性
・SSDの寿命
・SSDのデータ消去における注意点
◆定員:100名
◆登録:参加費無料、登録期限は前日23:59まで

 

こんな方にお勧め

◆情報システム部門、IT資産管理の担当の方
◆IT資産の廃棄/売却について、委託業者への監督を任されている方
◆リースのIT資産について、リース会社との調整を任されている方
◆パソコンが好きで、ITハードウェアの動作原理などに興味のある方
◆データ消去について、専門家に質問をしてみたい方

 

 

●講師紹介

沼田 理(ぬまた まこと)
沼田 理(ぬまた まこと)
大学にて電子材料や半導体材料の研究を行った後、電気部品会社にてコンデンサの開発業務に従事。1970年代のオーディオブームで電子部品と音の関係に注目が高まる中、当時オーディオ御三家と言われた山水電気株式会社に移る。その後、オランダのPHILIPS社に1年半在籍・滞在中、ミュージックCDのプロトタイプの研究開発プロジェクトに携わる。1986年に株式会社ワイ・イー・データに転職、フロッピーディスクやハードディスク、テープドライブなど磁気記憶装置の設計開発に携わる。2001年には日本におけるデータ復旧事業の草分け的存在のオントラック事業部に異動し、2006年から事業部長を務める。2010年に定年退職後、日本データ復旧協会事務局長、データ復旧関連複数社の顧問を務め、技術情報やWeb原稿の提供を行う。また、IDF(デジタル・フォレンジック研究会)にてデータ消去分科会のメンバーとして活動、技術解説レポートを提供し、磁気記録の上書きの原理等についての講演等も行う。2019年からはADEC(データ適正消去実行証明協議会)の技術顧問やKLDiscovery Ontrack社 技術担当広報を務める。2020年2月より、株式会社ゲットイットの技術顧問に就任。神奈川県情報流出事件以降は、新ガイドライン策定へ向けた行政からの技術諮問に応じるなどの活動も行っている。40年近くにわたりデジタル記憶装置の研究開発に携わり、国内外のデータ復旧・消去における最新情報に精通したスペシャリストとして、多岐に渡り活躍している。

執筆文献:「データ抹消に関する米国文書(規格)及びHDD、SSD の技術解説」「ADEC データ消去技術ガイドブック 第2版」他。

 

◆過去に実施した「データ消去」関連ウェビナーの、視聴者からの質問に対する回答を公開しています。

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ホワイトペーパーを無料公開中

沼田理氏執筆によるデータ消去関連のホワイトペーパーを無料公開しています。
①「3回上書きは過去のもの『データ消去』の正しい知識」
②「欧米の実例に学ぶ、電磁記憶媒体廃棄時の情報漏洩防止対策規定」
③「SSDのデータ消去と寿命」(近日中に公開予定)

※原則として無期限での公開を予定していますが、技術動向に大きな変化等があった場合には、一時取下げ/修正などの可能性があります。

 

 

●本件に関するお問い合わせ
担当者 :川澄 (カワスミ)
電話番号:03-5166-0900

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