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富士通UNIXサーバーの保守切れ対策|SPARC/PRIMEPOWERを第三者保守で延命

富士通UNIXサーバーの保守切れ対策|SPARC/PRIMEPOWERを第三者保守で延命

富士通UNIXサーバー(SPARC×Solaris/PRIMEPOWER)は、メーカー保守の終了が具体的なスケジュールとして迫っています。一方で、「止められない業務がある」「今すぐ更改は難しい」という企業は少なくありません。要件整理や検証に伴う負荷、停止リスク、予算化のハードルは、短期間では解消しにくいのが実情です。

本記事では、富士通UNIXサーバーの保守切れリスクとその解決策として、「第三者保守の活用」を解説します。コスト削減と安定稼働の両立という観点から、延命で検討時間を確保し、「段階的な移行へつなげる考え方」を現場目線で紹介します。

富士通UNIXサーバーが選ばれる理由|SPARC×SolarisのRAS設計と長寿命で“止めない”を実現

富士通UNIXサーバーは、「止めないこと」が求められる基幹業務で選ばれてきました。強みの源泉は、ハードウェアとOSを企画段階から密に統合する「一体設計」です。SPARCとSolaris(※1)の組み合わせは、電源・冷却・I/O・メモリの冗長化やホットスワップを前提にし、障害時は自動診断と切り分けで影響範囲を最小化します。さらに、フェイルオーバー構成や監視・ログ運用との親和性も高く、ハード・OS・運用が連動して継続稼働を支える多層の仕組みが特長です。

この設計思想は運用にも表れ、予兆検知に基づく計画対応、現場での迅速な部品交換、手順化された復旧フローの積み重ねが「平均修理時間(MTTR)の短縮」に寄与しています。こうした背景から、富士通UNIXサーバーは金融の勘定系、官公庁、社会インフラ、製造など、停止許容度の小さい分野で広く採用されてきました。

2025年の現実|EOSLと移行計画:x86/Linux・クラウド主流化の中で「移行方針の土台」を固める

サーバー

近年は、x86サーバーとLinuxの成熟、クラウド基盤の普及、仮想化・コンテナ運用の定着により、企業の新規システム/サーバー基盤の導入は「x86+Linux」や「クラウド」が主流になりました。こうした潮流の中で、富士通はSPARC M12の2029年度での販売終息と2034年度(予定)の保守終了を示しており、保守期限(EOSL)を見据えた計画立案が避けられない状況です。

出典:富士通UNIXサーバーサーバSPARC Serversロードマップ

富士通UNIXサーバーは安定性が高い一方で、業務アプリや運用手順がハードウェアやOSの固有機能(例:ドメイン分割、アクセス制御、監視設計)に強く結び付く傾向があります。結果として、移行時は「置き換え機能の設計」や「影響範囲の洗い出し」が増え、無停止での切り替えは難易度が上がります。

こうした事情を踏まえ、移行は段階的に進めるのが現実的です。まずは延命と更改の境界を定め、許容できる計画停止の時間帯・所要時間、事前テストの進め方、求めるサービス水準と想定リスクを整理します。移行の初期方針を少しずつ固めていくことが、「無理のない移行」への近道になります。

第三者保守とは|富士通UNIXサーバーのEOSLを“止めずに”乗り切る現実解

第三者保守

富士通UNIXサーバーの保守切れ対策として、メーカー以外の専門業者がサーバー/ストレージ/ネットワーク機器のハードウェア保守を担う、「第三者保守」という選択肢があります。第三者保守はメーカー保守が終了(EOSL)した後でも、故障時のオンサイト対応や部品交換、部材手配、監視・通報といった稼働維持に必要な業務を一括で提供します。

第三者保守を導入する際は、まず対象範囲・対応時間帯・対応拠点・到着目標をSLAとして整理し、業務要件に合わせて水準を設定します。到着時間が課題となる地域には、必要部材の事前配備などで、復旧までの時間短縮を検討します。これに先立ち、現物基準の構成確認(台帳差異や型番・稼働状況の把握、必要に応じたI/O・ファームウェア整合の点検)と、障害時の連絡経路・対応手順の明文化は必須要件です。これらの事前整備を完了したうえで契約を開始することで、運用移行が確実かつスムーズになります。

第三者保守のメリット|コストを抑えつつ、移行計画を着実に進める

PC

第三者保守の強みは、保守費用とリスクを「必要なところに、必要な期間だけ」配分できる点です。契約条件を業務実態に合わせて絞り込めるため、全拠点・通年一律の高水準を強いられることなく、コストを適正化できます。また、保守窓口の一本化により、ベンダー調整や手続きの負担も軽減され、運用の間接コストも抑えやすくなります。

その他にも、稼働を維持したまま構成の棚卸しや運用手順の整備を前倒しし、切替リハーサルや切り戻し手順の確認まで進められます。こうした事前準備によって切替時の不確実性を小さくし、段階的移行に必要な検討・検証の余白を確保できます。第三者保守は、富士通UNIXサーバーのEOSL後も無理なく延命しつつ、ダウンタイムと費用を抑えながら移行計画を確実に前進させる、実行性の高い選択肢です。

富士通UNIXサーバーの第三者保守ベンダーの選び方|SPARC/PRIMEPOWERで失敗しないチェックポイント

チェックポイント

第三者保守を検討する際は、まず「適用範囲」と「限界」を明確にしておくことが重要です。第三者保守の対象は基本的にハードウェアであり、OSやソフトウェアの不具合対応、新機能の追加、ファームウェア提供は原則対象外です(もしくは、お客さま保有ファームウェアを前提とした取り扱い支援に限定)。そのうえで、導入後の食い違いを避けるために、ベンダー選定時は次の3点を確認しておきましょう。

<選定ポイント①:富士通UNIXサーバーの実績>
SPARC/PRIMEPOWERで実機ベースの対応実績があるか。対応した型番・構成・事例を具体的に提示できるか。

<選定ポイント②:パーツ供給体制の確実性>
在庫の保有状況と調達ルートは明確か。必要部材の特定、入手は可能か。

<選定ポイント③:SLA設計の柔軟性>
運用カレンダーに合わせて、応答・現地到着・復旧の目標値や対応時間帯を調整できるか。平日中心から24時間365日まで、必要に応じた設計幅があるか。

これらを先にすり合わせておけば、第三者保守ベンダー選定のリスクを大きく抑えられます。

ゲットイットが富士通UNIXサーバーに強い理由|「現物基準の整備」×「技術・在庫の厚み」×「柔軟なSLA設計」

保守運用

富士通UNIXサーバの延命運用を数多く支援してきたゲットイットは、“現場起点”で確実に機能する保守体制を提供します。保守開始前には、構成情報・保守条件・コールフローを綿密にすり合わせ、必要に応じて既設の機器を確認しながら、台帳との差分や型番、I/O構成のチェックも実施いたします。また、障害発生時の連絡経路や対応フローを事前に明確化することで、現場で迷わない安定した運用を実現します。
こうした取り組みを支える当社の強みは、次の3点です。

<強み①:富士通UNIXサーバーの保守実績と知見>
ゲットイットは、金融・通信・公共など“止められない”領域を含め、大規模から中小規模まで多数の対応実績を保有。複数年・延長を含む長期契約も多く、継続運用を見据えた提案が可能です。SPARCの系譜を踏まえたOracle関連の知見も備え、保守運用で培った障害対応や機器特性のノウハウを活用します。

<強み②:技術力と在庫体制>
パーツ交換がメーカーエスカレーションを前提とするケースでも、SPARC/Solarisに限らず他社UNIX(例:HP-UX)で培った知見を応用し、独自手順による復旧事例を多数蓄積しています。すべてのケースに適用できるわけではありませんが、可能な範囲でベンダー依存を抑える取り組みを標準化しています。加えて、EOL・レガシー機種を含む在庫を幅広く確保し、UNIXサーバーの部品をパーツ単位で管理することで、必要部材の特定と手配を迅速かつ確実に行えます。

<強み③:柔軟なSLA設計>
ゲットイットは、お客さまの運用カレンダーや重要度に合わせてSLAを設計。平日中心から24時間365日体制まで幅を持たせ、「障害箇所特定後、一定時間内の現地到着目標」などの基準を契約で明示します。部材提供は、オンサイト/パーツデリバリー/預託から選択可能です。到着時間が課題になりやすい拠点には、契約・在庫条件の範囲で事前配備にも対応します(部材の準備可否・水準は、機種・地域・在庫状況により変動)。

これらの強みを基盤に、ゲットイットは富士通UNIXサーバーの確かな延命運用から無理のない移行まで、一貫してご支援します。

まとめ|富士通UNIXのEOSLは“止めずに乗り切る”。第三者保守で時間もコストも最適化

富士通UNIXサーバーのEOSLは確実に迫っています。いま無理に更改へ踏み切れない場合でも、第三者保守を活用すれば、業務に合わせた契約設計で維持費とリスクを抑えつつ稼働を継続できます。並行して、構成の棚卸しや切替準備を計画的に進められるため、「止めずに時間をつくり、段階的に移行する」ための現実的な打ち手になります。

ゲットイットは、現物基準の整備・技術と在庫の厚み・柔軟なSLA設計を組み合わせ、確かな延命運用から無理のない移行まで一貫してご支援します。まずは貴社環境に最適な「止めない運用案」の検討から始めましょう。ご相談の際は、以下の情報をご共有ください。

・型番(例:SPARC M12 / M10 / M3000 / M4000 / M9000 / PRIMEPOWER)
・構成情報、台数、設置場所
・稼働時間帯、希望する対応時間のイメージ(SLA)

いただいた情報を基に、対応可否・想定リスク・必要部材を整理し、現場条件に沿った提案をご用意します。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

富士通UNIXサーバーについて、お問い合わせはこちら

ゲットイットが保守対応可能な富士通UNIXサーバー(SPARC)代表機種(例)

・現行に近い世代(SPARC Mシリーズ)
SPARC M12-1 / M12-2 / M12-2S
SPARC M10-1 / M10-4 / M10-4S

・SPARC Enterprise(富士通×サン共同ブランド)
SPARC Enterprise M3000 / M4000 / M5000 / M8000 / M9000

・PRIMEPOWERシリーズ(旧世代)
PRIMEPOWER 800 / 1000 / 2000

※上記は代表例です。個体差・設置地域・在庫状況・契約条件により可否やSLA水準が異なります。

(※1)
Solarisは、Sun Microsystems(現・Oracle)が開発したエンタープライズ向けのUNIX系OS。SPARCサーバーだけでなくx86サーバーでも動作し、信頼性・可用性・保守性(RAS)に強いのが特長。

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