2023年05月30日
データセンター移設時に役立つ「ITADサービス」と「機器レンタルサービス」

データセンター移設時に役立つ「ITADサービス」と「機器レンタルサービス」

 

クラウド需要の高まりを背景に、データセンターの新設や増設、移転・移行のニーズが高まっています。SIerを始めとする、国内でデータセンター事業を営む企業の「データセンター新設および増設の投資額」は増加傾向です。また、東京圏や大阪圏以外に「データセンターを分散化」させる検討も進んでいます。

情報システムの「レジリエンス(復元力)強化」と「電力負荷平準化」に向け、特定エリアにデータセンターが集中する構造を変えるため、政府が資金の一部を支援し「データセンターの地方拠点整備」を推進。データセンターの地方分散化の必要性が高まるなかで、既存のデータセンター移設を検討中の企業も多いでしょう。

データセンターには多数の「サーバー」や「ネットワーク機器」が存在し、企業の機密情報が含まれます。移設の際の課題として、IT機器のアンラック作業や不要になる機器の処分などがあり、これらを安全かつ環境に配慮した形で行う必要があります。また、移設先のデータセンターを素早く立ち上げるため、短納期で機器を揃えなければなりません。

本課題解決に役立つのが「ITADサービス」と「機器のレンタルサービス」です。本記事では、データセンター移設時の課題を解決するITADとレンタルサービスについて紹介します。

データセンター事業を営むSIerが直面する課題

データセンター事業を営むSIerが直面する課題

データセンター事業を営むSIerは、需要予測に基づき適切なデータセンターの設備投資を行い、「サービス提供能力」を維持する必要があります。データセンターは大量の電力を必要とするため、「エネルギー効率の向上」や「省エネ化」が欠かせません。

また、再生可能エネルギーを活用した「環境に配慮した取り組み」や、複数拠点にまたがるデータセンターを統合して集約するなど、「運営コストの削減」も求められます。「熱効率」や「再生エネルギー活用」の観点に加えて、昨今は施設の維持費削減の施策として各SIerでデータセンター適正化の需要が高まっています。

データセンター移設検討が進むなかで、各企業の共通課題となるのが煩雑な移設作業と機器の適正な処分です。

データセンターの移転に伴う作業と課題

データセンターの移転に伴う作業と課題

データセンターの移設作業は、「事業継続性計画(BCP)」の観点からも非常に重要です。移設中にトラブルが起きてしまうと「サービスの中断や遅延」につながり、企業活動に多大な影響を及ぼします。データセンター事業を営むSIerは、業務の中断を最小限に抑えながら、迅速かつ効率的に移設を行う必要があります。

また、移設作業はサーバー機器の運搬や設置、データの消去やIT機器類の処分、施設の解体や清掃など多くの作業が必要です。データセンターには企業の機密情報が集まっているため、「情報漏洩」や「不正アクセス」の問題を回避し、法令や規制に対応するための「高度な情報管理」や「セキュリティ対策」が求められます。

SIerは、これら作業に対応できる人材を確保し、環境や法律などの規制を守りながら「適切な手順」で作業を行わなければなりません。データセンターの移転に伴う作業は「多大な労力」と「コスト」が掛かり、専門知識を持つ人材が必要なため、慢性的に人手が不足しているSIerにとって悩ましい課題といえるでしょう。

データセンターの移設に役立つ「ITADサービス」

データセンターの移設に役立つ「ITADサービス」

これら課題を解決するのが「ITADサービス」です。ITAD(Information Technology Asset Dispositio)とは「IT資産の適正処分」のことで、専門のサービス会社が提供する「IT資産の廃棄やリサイクル、再利用などのプロセスを管理」するサービスです。企業で不要となり使用されなくなったIT資産を、安全かつ責任をもってリユース・リサイクルを行います。

ITADのサービスは、廃棄予定だったIT機器を「資産」として買い取る「買取りサービス」を提供。また、IT機器をラックから安全に取り外す「アンラック作業」やIT機器内のデータを完全に消去する「データ消去サービス」、機器を再利用するために必要な「リファービッシュサービス」、環境に負荷をかけずに機器を解体・再利用する「リサイクルサービス」といった一連のプロセスが存在します。

近年は、各企業でIT機器のリプレイスサイクルが短期化し、不要になる機器が年々増えています。これら機器を廃棄から再利用へと安全にシフトさせる「ITADサービスの利用」が推奨されているのです。

データセンター事業者が「ITADサービス」を利用するメリット

データセンター事業者が「ITADサービス」を利用するメリット

IT機器はデータが残っているまま放置されたり、不適切に処分されたりすると「機密情報の漏洩」や「環境汚染」につながる危険があります。ITADサービスを利用することで、データセンター移転に伴い廃棄予定だった機器を、「法的義務を遵守」して「安全に再利用」することが可能です。

IT機器の取り扱いに精通した専門人材が「適切な方法でデータ消去」を行い、厳重なセキュリティ管理によって情報漏洩を防止します。単に作業を実施するだけでなく、「環境に最大限配慮した方法」でリユース・リサイクルを行うため、環境負荷が低減されます。

またIT機器の状態に合わせて、「製品としてのリユース」「パーツとしてのリユース」「マテリアルとしてのリサイクル」を行い、なるべく価値の高い状態で循環させます。製品のリユースが難しい場合はパーツとしてリユースを行い、パーツのリユースが難しい場合はマテリアルとしてリサイクルします。このようにIT機器を循環させることで、廃棄予定だったIT機器が「資産」となり、売却による利益を得られる可能性があります。

ITADサービスを利用することで、SIerなどのデータセンター事業者は「廃棄処分に掛かる手間やコスト」を削減でき、リユースやリサイクルによって「資産価値を最大限に引き出す」ことが可能です。法的な規制や環境へ配慮しつつ、迅速かつ安全にデータセンターの移設を実現できるでしょう。

データセンターの移設に伴う「レンタルサービスの活用」

データセンターの移設に伴う「レンタルサービスの活用」

データセンターの移設で問題となるのが「短期間での立ち上げ」です。立ち上げに掛かるリードタイムを短縮するには、必要な機器を素早く確保して、計画的に環境整備を行う必要があります。昨今は「半導体不足」や「IT機器の需要増」などの影響で、必要な機器が計画通りに揃わない場合もあるでしょう。

このような時に、有効となるのが「レンタル品の活用」です。レンタル品のサーバーやネットワーク機器を利用することで、移設先データセンターの環境整備を迅速に行うことができます。レンタルを活用した事例として、某SI企業が「ネットワーク機器のレンタル」を行い、データセンターの移設を成功に導いています。

本ケースは、移設先の新データセンターに「旧データセンターと同じ機器構成」で、環境構築する必要がありました。SI企業は必要な機器を手配しようとしたところ、昨今のコロナ禍の影響で、納期に時間を要することに。新データセンターで必要な機器が、「旧データセンターの立ち退き期限」に間に合わないことが判明しました。

本課題の解決策として、SI企業はレンタルサービスを提供するゲットイットに相談し、対象機器のレンタルを依頼。必要な機器をレンタルで素早く確保して、新データセンターで環境構築を実施。レンタルの活用で納期問題を解決でき、本移設プロジェクトが成功しました。

レンタルのメリットは必要な機器を「短納期で確保」し、レンタル期間を「柔軟に調整できる」ことです。機器を購入する必要がないため資産計上が不要で、費用も安価に済みます。データセンター移設に伴い、「機器の納期が間に合わない」「数が足りない」「一時的に利用したい」などの問題を解決できます。

データセンター移設時の「アンラック作業・買取り・データ消去」「レンタル活用」はゲットイットにお任せください

データセンター移設時の「アンラック作業・買取り・データ消去」「レンタル活用」はゲットイットにお任せください

データセンターの移設に伴う作業、IT機器の処分や準備に、専門のサービス会社が提供する「ITADサービス」と「レンタルサービス」が役立ちます。高い安全性と専門知識が求められるこれらの作業は、信頼できるサービス会社選びが重要です。

ゲットイットは2001年の創業以来、サーバーやネットワーク機器などのエンタープライズ製品のITADサービスを提供し、「35万台を超えるIT機器」に新たな命を吹き込んできました。クライアント企業に寄り添いながら、データのセキュリティポリシーと環境方針に適合する形で、ITADプロセスを支援しています。

また、サーバーやネットワーク機器の買取りに強みを持っており、データセンターを「フロア単位で買取りした実績」があります。データセンターの移設や合併・統合に伴うIT設備の整理、サーバー機器の買い替えによる処分など、お客さまの都合に合わせて買取りを行います。

「ITADサービス」や「レンタルサービス」を活用して、データセンター移設を成功させたいSIerさま、ぜひゲットイットにご相談ください。お客さまの大切な情報資産を守った上で、「機器のアンラック」や「データの消去」「買取り」などの一連のプロセスを、安全かつ迅速に対応いたします。