2023年02月14日
金融業のコストカットとDX推進に役立つ「第三者保守」

金融業のコストカットとDX推進に役立つ「第三者保守」

 

金融業の多くの企業では、既存システムの維持運用に「多額の保守コスト」が掛かっています。金融サービスを提供する企業は、ミッションクリティカルなシステムを安全に運用するため、ベンダーに多額の保守費を支払い「高い保守サービスレベル」を維持しています。

システム維持に掛かるコストは年々増加し、新しいテクノロジーに投資できる予算を圧迫することに。近年の金融業では、顧客の利便性向上や企業の付加価値向上、競争力強化のため、自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する「フィンテックへの投資」が欠かせません。

増え続ける既存システムの「保守コスト削減」と「DX推進予算の確保」は、金融業の共通課題といえるでしょう。本課題の解決策になるのが「第三者保守」です。本記事では、金融業の「コストカット」と「DX推進」を実現する第三者保守について紹介します。

金融業における「ベンダー保守コスト高」の課題

金融業における「ベンダー保守コスト高」の課題

金融業のシステムは、万が一障害が起こっても業務を止めないための「高度な保守」が求められます。銀行や証券の取引システムで不具合が生じると、個人情報や機密情報が漏えいする「セキュリティ事故」につながる可能性が高くなります。また、システム障害は世の中に大々的に報じられ、企業の信用や業績に深刻な影響を与えるでしょう。

金融システムを安全に運用するには、「高いセキュリティ」と「可用性」を担保する必要があり、運用保守を務めるベンダーは手厚い保守サービスを提供。その結果、金融業がベンダーに支払う保守コストは増加し、「保守コストの高止まり」が課題となっています。

また近年の金融業界では、金融とITを組み合わせて新しいサービスを生み出す「フィンテック」に多くの企業が注目。各企業ともに「金融システムのオープンな連携」や「ビットコインなど仮想通貨の対応」「AIを駆使した資産運用」などの実現に向けて、フィンテックへの投資を重要視しています。

IT投資のニーズが高まる一方で、マイナス金利を始めとする金融政策により、金融業全体の収益力は低下傾向に。金融業を取り巻く厳しい経営環境のなかで、新しいデジタル技術で新たなサービスを創出するには、「既存システムの保守コスト見直し」が不可欠な状況です。金融業で長年維持されてきたベンダー保守について、再検討が必要な転換期を迎えています。

金融業の保守コストカットに有効な「第三者保守の活用」

金融業の保守コストカットに有効な「第三者保守の活用」

本課題に対して、有効な解決策となるのが「第三者保守の活用」です。ベンダーに変わってハードウェアの安定稼働を支援する「第三者保守」が、いま金融業で注目を集めています。

第三者保守が注目される理由の一つに、2019年3月に金融庁が発表した「金融業のITガバナンスに関する実態把握結果事例集」の存在があります。金融業がIT ガバナンスを強化し、企業価値を創出するための「考え方」や「着眼点」を紹介しています。

金融庁は本資料のなかで、金融業が自社のITリソース(資源管理)を最適化し、システム費用を削減する有効な手段として、「第三者保守の活用」を挙げています。漠然と毎年同じ保守を継続するのではなく、ITシステムごとに求められる「必要なサービスレベル」や「作業内容」を洗い出し、第三者保守へ契約見直しを行うことで、コスト削減できる可能性を示しているのです。

(カネ)
システム維持・制度対応案件を抑制する一方で、戦略的な投資案件の強化
● 毎年固定的に発生する保守費用について、システム費用削減を目的に第三者による妥当性の検証作業内容に応じた支払となるよう保守契約の見直し

出典:金融業のITガバナンスに関する実態把握事例集(参考手引)(金融庁)

また金融系のシステムでは、通例として「監視センター」や「運用マニュアル」が整備されており、これらの体制整備にも多大なコストが投じられています。第三者保守を活用することで、ハードウェアやソフトウェアだけでなく、これら貴重な資産やノウハウも延長し有効活用できます。金融業の各企業は「システム更改の検討猶予」を持つことが可能となるのです。

金融業でコストカットを実現するには、「システムに応じた第三者保守の活用」がキーポイントといえます。

第三者保守による「コストカット効果」と「DX戦略」

第三者保守による「コストカット効果」と「DX戦略」

金融業を取り巻く情勢やコストカット効果の期待から、金融業で第三者保守の活用が進んでいます。これまで一般的だった「ハードウェアのベンダー保守を継続し続ける」「保守期限切れ(EOSL)を機にシステムをリプレイスする」といった、従来のIT投資サイクルを見直す動きが活発化しています。

金融業のシステムは、サーバーやストレージが何十台、何百台もある「巨大なシステム」が多いのが特徴です。必然的に既存システムに支払う保守費は膨らみ、リプレイスするにも多額の追加投資が必要になります。また、EOSLを迎えたハードウェアのベンダー保守は割高になるため、これらの費用が金融業にとって大きな負担となっていました。

昨今のトレンドとして、「ハードウェアのEOSL前後」にベンダー保守から第三者保守へ切り替え、システムを延命して運用する金融業が増えています。既存のハードウェア基盤でシステムを維持することで、保守運用や部品交換に掛かるコスト負担を大幅に軽減。金融業のシステムは巨大である分、第三者保守による「ITシステムの延命」や「保守切替」のコスト削減効果は大きく、多くの企業がコストカットに成功しています。

第三者保守は、「長年に渡り安定稼働しているシステム」や「近い将来に停止が決まっているシステム」などに適しています。これらシステムに第三者保守を活用し、戦略的にシステム更改やサーバーリプレイスを延命することで、「コスト」と「リソース」が削減可能です。

第三者保守で創出した「予算」や「人」のリソースは、フィンテックを始めとするDX推進に役立つビジネスへ投資。コストカットとフィンテック投資のサイクルを廻し、ビジネス強化を図っていくのが「第三者保守を活用したDX戦略」です。

第三者保守は「SIerとの連携」でより効果を発揮する

第三者保守は「SIerとの連携」でより効果を発揮する

金融業において第三者保守の活用が進む一方で、保守窓口を務めるベンダーの切り替えを不安視する企業も少なくありません。長年に渡り、信頼関係のあるSIerなどのベンダーが運用保守を担っている場合、すべての保守を第三者保守サービス企業に切り替えることは不安や抵抗もあるでしょう。

このような場合、「SIerなどのベンダー」と「第三者保守サービス企業」で顧客ニーズに合わせて役割分担することで、第三者保守のメリットを活かすことが可能です。たとえば保守窓口と保守作業は従来通りベンダーが担当し、第三者保守サービス企業はシステムに必要な交換パーツのみを提供。第三者保守サービス企業はSIerやベンダーと連携して、保守部品を素早く安定的に供給する役目を担います。

本体制を築くことで、ユーザーである金融業は「SIerやベンダーの保守窓口」を変える必要がありません。既存ベンダーと取引関係を維持しつつ、第三者保守によるコストカットの恩恵を受けることが可能です。顧客窓口を務めるSIerやベンダーにとっても、「EOSLで修理交換パーツの在庫がない」「ユーザーから保守コストの値下げ要求が厳しい」などの状況や要求に、柔軟に対応することができます。

第三者保守は「頼れるパートナー選び」が最重要

金融業における「コストカット」や「DX推進」の経営課題に対して、第三者保守が有効な解決策になり得ます。第三者保守サービスを活用する上で、最も重要なポイントになるのが「第三者保守サービス企業選び」です。

シビアな保守運用が求められる金融業では、「保守部品を確実に届ける部材調達力」と「迅速に障害対応できるサービス体制と技術力」が必須になります。また、SIerなどのベンダーと「どのようなサービス連携が取れるか」といった支援体制が、第三者保守サービス企業を選ぶポイントになるでしょう。

ゲットイットは主要メーカーから希少機種まで、幅広い保守部材を大量にストックしており、さまざまな保守オーダーに対応できる「調達力」と「技術力」があります。お客さまの抱える課題や運用状況をヒアリングし、お客さまに合わせた「オーダーメイドの保守サービス」を提供いたします。

保守は24時間365日、全国どこでも対応可能。当社の技術者が機器の設置場所に駆けつけ、故障パーツの交換・修理を実施し、システムダウンを最小限に食い止めます。また、エンドユーザーさまとの直接契約から、SIerさまやベンダーさまと連携した体制まで、ご要望に合わせた柔軟な保守体制が構築可能です。

第三者保守を活用して「コストカット」や「DX推進」を実現したい金融業の企業さまやSIerさま、ぜひゲットイットにご相談ください。SIerさまやベンダーさまと連携し、お客さまニーズに合わせた最適な保守を提供します。何よりもお客さまを優先し、お客さまの課題を共に解決いたします。