パルシステムさまは、持続可能な社会づくりを目指し、食品の配送事業を通じて環境に優しい取り組みを行っています。しかし、バックオフィス部門が行うことのできる環境への取り組みは限定的だと感じていたそうです。とくに情報システム部門では、定期的なIT機器の処分が発生しており、安全なデータ消去と環境配慮を両立させることが課題となっていました。これらの課題を解決するため、パルシステムさまはゲットイットの専門的なデータ消去技術を活用し、IT機器のリユースという新しい取り組みを開始しました。
サーバー、ストレージ、ネットワーク機器あわせて約70台
- EOSLを迎えたサーバーやネットワーク機器を、定期的に処分する必要があり、データセキュリティと環境の両面で課題が存在していた
- 従来の処分方法では環境への負荷が大きく、コスト効率も悪かった
- 日本経済新聞の取材記事を通じて発見した「IT機器の買取りサービス」を導入
- ゲットイットの買取りサービスにより、データセキュリティの確保と環境負荷の問題を同時に解決
- コストは従来の約3分の2程度まで抑えられ、環境への影響も大幅に軽減された。
バックオフィス部門の環境への取り組みに課題。環境に配慮した方法で、IT機器を処理する方法を模索
ーーパルシステムさまの事業内容と、濱谷さまの部署の役割について教えていただけますか。
濱谷さま パルシステムは「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」を理念に、関東を中心として食品・日用品の宅配を行う生活協同組合です。パルシステム東京やパルシステム神奈川といった各地域名のついた組織は私たちパルシステムグループの会員生協であり、会員生協が担う宅配事業がグループの主軸となっています。連合会は会員生協に対して商品の企画、開発、調達、基幹物流の提供、建物やシステム面における整備などの支援を行っている組織になります。
私の所属するインフラサービス課は、グループ全体が利用するサーバー、ネットワーク、コンピューターシステムの管理を担当し、これらのITインフラが各組織のサービス提供の基盤となっています。特に、オンラインでの注文システムや、OCRなど紙で受け付けた注文を処理するシステムはサービスの要であり、これらシステムの安定稼働が私たちの主な役割です。
安定したシステム運用を通じて、パルシステムグループが円滑に活動できるよう支援しています。
ーー今回、IT機器の買取りサービスを導入することになった経緯や、導入前の課題について教えていただけますか。
濱谷さま 私たちインフラサービス課では、IT機器のライフサイクル管理が重要な業務の一つです。
当会では多くのパソコンやサーバー、ネットワーク機器を利用していますが、これらの機器はサービス保守期限(EOSL)を迎える前に、新しい機器に置き換える必要があります。これまでは、不要になったIT機器はデータを消去した後、廃棄業者に引き取ってもらっていました。
しかし、この処分方法は環境への影響を考慮しなければならない点で、課題があると考えていました。パルシステムはプラスチックの排出削減や資源の循環型活用(3R活動)など環境問題に対して積極的に取り組んでいる組織ではありますが、一方でシステム部門においては、環境への配慮が十分とは言えませんでした。節電の励行など職員個人ができるレベルでのエコ活動には取り組んでいましたが、部署の任務と結びつくような環境への取り組みは、あまり検討されていなかったのです。
そこで、環境に配慮しながらIT機器を処理する手段がないか模索し始めたのが、買取りサービス導入の出発点でした。
ゲットイットのサービス採用の決め手は「高い専門性・技術力」と「オンサイトでのデータ消去の安心感」
ーーゲットイットのIT機器買取りサービスの導入を決めた理由についてお聞かせください。
濱谷さま ゲットイットさんについて初めて知ったのは、日経新聞の記事を通じてでした。IT機器のリユースに関する記事を読んで、システム部門でも環境負荷を軽減する取り組みが可能と知りました。世の中にはシステムを扱う企業が沢山あり、中には環境への取り組みに積極的な企業もあることに気づきました。これまでは、データ漏洩のリスクを避けるために廃棄を選択していましたが、廃棄以外の方法もあるのではないかと考え具体的な検討を始めました。
まずはお付き合いのある企業から紹介された複数のIT機器買取り業者に話を聞いたのですが、ほとんどの業者がパソコンの買取りに特化していました。しかし、私のいるチームでは、サーバーやネットワーク機器の管理が主な業務です。そのため、これらの機器について豊富な専門知識と実績を有するゲットイットさんが、私たちのニーズに最も適していると判断しました。
ゲットイットさんと商談を進める中で、データ消去に関するプレスリリースを拝見しました。ネットワーク機器の「Purge(※1)」レベルのデータ消去に国内で初めて成功したという内容で、ゲットイットさんのデータ消去に関する高い専門性が印象に残りました。システムに携わる者としては、廃棄するIT機器からのデータ漏洩リスクは最も気になる点ですが、ゲットイットさんの専門的なデータ消去技術があれば、このリスクを効果的に回避できると感じました。
複数の買い取り業者を検討した結果を踏まえ、「高度なデータ消去技術」「環境に優しいリユースとリサイクルの取り組み」「コスト削減」の3つのポイントが、ゲットイットさんを選ぶ決め手となりました。
ーーIT機器の買取りサービスを導入する際に、「情報セキュリティ」が主な懸念点だったと伺っています。この問題はどのように解決できましたか。
濱谷さま これまでは情報漏洩のリスクを避けるために、IT機器を物理的に破壊したのちに廃棄していました。DoD方式(※2)として知られる3回上書き消去法も検討しましたが、これにはかなりの労力が必要なため、廃棄という方法を取っていたのです。しかし、最新のデータ消去の国際規格であるNIST(※3)に従えば、上書き消去を行う場合の回数は1回で十分であることをゲットイットさんより教えていただきました。
今回の買取りサービスへの移行にあたり懸念点だったのは、データの安全な消去とその証明でした。以前はIT機器を廃棄する際には物理的に破壊し、その証拠として破壊された写真を貰っていました。今回はIT機器をリユースするため、ゲットイットさんから各機器のシリアル番号に基づく「買取りの証明書」を提供頂きました。この証明書には、撤去された各機器のデータが確実に消去されたことが記されており、情報漏洩のリスクがないことが確認できました。
また、今回は輸送中のリスクを避けるために「オンサイトでのデータ消去」を選びました。ゲットイットさんに私たちの施設へ来ていただき、その場で消去作業を完了いただくスキームです。オンサイトで対応いただいたおかげで、セキュリティ面の安心感も大きかったです。消去作業は当初2日間くらいかかると予想していましたが、実際は1日半で完了し、ゲットイットさんの迅速な対応に感謝しています。
IT機器の買取りサービスで「コスト削減」と「環境への配慮」の両方を実現
ーーIT機器買取りサービスのメリットと、サービス活用による環境への貢献について教えてください。
濱谷さま もともと私たちの目標は環境への配慮でしたが、コスト削減も重要な副次的メリットとなりました。従来の廃棄方法と比較して、費用を約3分の2程度まで抑えることができました。
環境への貢献に関する取り組みは、今回の買取りサービスの導入を通じて新たな段階に進んだと感じています。これまでは、職員個人の心がけによるエコ活動が主流でしたが、買取りサービスの導入により、システム部門として積極的に環境問題に取り組む姿勢を示すことができました。
ーーIT機器の買取りサービスへ移行するために必要だった、具体的な手続きについて教えていただけますか。
濱谷さま 買取りサービスへの移行プロセスは、いくつかの段階を経て進めました。まず、役員への提案が必要でした。その後、新しい取引先としてゲットイットさんの情報登録を行い、支払い手続きなどを調整しました。また、機器の受け渡しに関する取り決めも重要な部分で、メールや郵送などの具体的な手法について検討しました。
その他には、データセンターの入館手続きや、持ち出し品に関する事前申請が必要でした。入館やIT機器の持ち出しは、データセンターが定めているルールに従う必要があり、事前にデータセンター側の承認を取りました。
パルシステムの社風的に、この新しい取り組みのハードルはそこまで高くありませんでした。特に概算見積りの段階で、従来の廃棄方法よりも費用が抑えられることが分かっていたので、買取りへの移行は比較的スムーズに進みました。
社会で高まる環境配慮への取り組み。バックオフィス部門でも実践できるサステナビリティへの貢献
ーー最後に、買取りサービスの導入を検討している他の企業へアドバイスをお願いできますか。
濱谷さま 新しい取り組みへの移行は、最初は少し面倒かもしれませんが、一度始めてしまえば次回からはスムーズに進めることができます。
これからの時代、私たちのようなバックオフィス部門でも、環境に優しい技術や方法論への取り組みは欠かせません。対応する時間や余裕のあるうちに新しい取り組みに挑戦することが大切です。それによって、会社全体のサステナビリティへの貢献はもちろん、コスト削減や業務効率化も期待できると考えています。
ーー本日はお忙しい中ありがとうございました。
データ漏洩のリスクを効果的に回避しながら、環境問題への配慮とコスト削減の両立を検討されているクライアントさま・SIerさまは、ぜひゲットイットにご相談ください。ゲットイットは、お客さまの課題を共に解決し、サステナブルな社会への寄与をサポートいたします。
NIST(※3参照)が定義した消去方法のうちの1つ。詳しくは こちらのホワイトペーパー で解説している。
※2 DoD消去方式
DoDはDepartment of Defense(デパートメント オブ ディフェンス)の略称で、アメリカ国防総省の意味。データ領域を最初にゼロ(0x00)で上書き(1回目)した後、固定値で更に上書き(2回目)し、最後に0-255までの乱数で上書き(3回目)を行う。計3回上書きするデータ消去方式。
※3 NIST
米国国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology)
データ消去のNIST基準は、通常「SP800-88 Rev.1」を指す。消去手法として「破壊(Destroy)」「除去(Purge)」「消去(Clear)」の3つを定義し、セキュリティ上の機密度や管理状態からどの手法を選択するのが最良かの指針を示している。詳しくは こちらのホワイトペーパー で解説している。
組織名 | パルシステム生活協同組合連合会 |
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主な事業内容 | 食を中心とした商品の供給事業や共済・保険事業、福祉・電力事業 など |
設立 | 1990年2月9日 |
URL | https://www.pal.or.jp/ |
※このページの内容は2024年2月時点の情報です。
株式会社ゲットイット
マーケティング担当 武
株式会社ゲットイット
営業本部 営業担当 片野