2018年11月13日
土田酒造さんの日本酒を揃えてみました(群馬) – 「蔵部」10月の活動報告

こんにちは!蔵部10月度担当の三木です。
今回の準備のために少しずつ色々を運び込んでいればよかったのに、
当日の朝になってお酒やおつまみを詰め込んだ重たいスーツケースを転がして出勤しました。。。

それはさておき、今回はとても真面目な蔵部活動報告です!
(この良い方だと語弊がありますね)
いつも真面目ですが、(いつもにも増して)大真面目に日本酒を学びました!
だいぶ長くなりますので、どうか最後までお付き合いください!

私の故郷が群馬ということで、今回はお酒もおつまみも群馬縛りで揃えてみました。
まずはお酒の紹介から!
私の友人が働いている利根郡にある酒蔵で、土田酒造という酒蔵のお酒です。
土田酒造URL → https://www.homare.biz/

「誉国光」「土田」「誉国光ゆず酒」

左から順に「誉国光」「土田」「誉国光ゆず酒」です。
仕込み方は、誉国光が山廃酛。土田は菩提酛と山廃酛を掛け合わせたものです。

さて、ここからはお酒の仕込みかたの真面目で熱い話をします。
まず、日本酒の話で良く耳にするのが「生酛造り(きもとづくり)」です。
「生酛造り」とは何か。
わかりやすく言うと「自然の力を活用した、昔ながらの日本酒の造り方」です。
昔ながらの造り方というのは、明治時代中盤まで主流だった日本酒の作り方をさします。
日本酒が一般人にも広がった400年も前の、江戸時代に主流だった方法です。

当時は微生物なんて言葉もありませんし、顕微鏡もありません。
それでも昔は杜氏の五感によって、蔵に住み着いた微生物の働きを
うまく活用してお酒を作っていたんです。
400年経った今でも日本酒が飲まれ、その当時の製法で作られたお酒が飲めるなんて凄いことですよね!

そして、蔵にいる乳酸菌がこの生酛造りのキーマンでもあるのですが、
日本酒を作る際に雑菌の繁殖を防ぐ為のものが乳酸菌の作り出す「乳酸」なのです。
現在の日本酒の作り方は、速醸と言い液体の乳酸を添加して2週間程度で出来上がる製法のものが多くあります。
一方生酛造りの場合は、蔵に住み着いている天然の乳酸菌が作り出す乳酸により
酵母が守られながらゆっくりとお米からお酒に変わっていきます。
かかる期間は1ヶ月ほど。速醸の倍の期間がかかります。

山廃酛とはそんな生酛造りの過程で行う蒸した米、麹、水を混ぜて粥状にする
山卸(やまおろし)
というとてつもなく大変な作業を、
技術革新によって米をわざわざ擂り潰さなくても材料の投入順序を変えることで、
その作業を省いても変わらない「生酛」の味わいを造りだす方法の事です。

山卸の作業を廃止した酛造り = 山廃酛 という事なのです。

この仕込み方で造られた「誉国光」は、
雑菌に負けない強い乳酸菌だけが生き残り作り出された乳酸のおかげで、
速醸のお酒では味わうことの出来ないコシとキレを楽しむ事が出来るんです。
クセが強いのかな?と思われがちですが、実際の飲み口は角のとれたまろやかな辛口でとても飲みやすかったです。
この誉国光で造ったゆず酒は女性陣にとても好評でした!
「飲みやすくてぐいぐい飲んでしまう」などの声も多数。
果実感が強く、食前酒などにもお勧めです。

次は「土田」にブレンドされている菩提酛(ぼだいもと)について。
菩提酛仕込みというのは室町時代に行われていた酒造りの手法です。
奈良県奈良市の菩提山正暦寺で確立されたとされています。
天然の乳酸菌発酵を利用する方法が後々の生酛造りの原型とされた、と言われています。
因みに、織田信長や豊臣秀吉も愛したお酒です。
菩提酛作りの特徴は酸味のさわやかさと低めのアルコール、麹バナのある若めの味わいで
夏の酒としても良いそうです。
「土田」はそんな菩提酛と山廃酛を掛け合わせた日本酒です。
飲み口は「誉国光」よりも厚みのある味わいで、さわやかな酸味が美味しいです。

・・・あれ?みなさんついてきてますか!?
そろそろ飽きたー!!と、声が聞こえてきそうなのでおつまみの話に行きましょう!

おつまみ

銀座にはぐんまちゃん家というなんとも便利なアンテナショップがありまして、
おつまみに関しては殆どをこちらで揃えました。
ぐんまちゃん家URL → http://kikaku.pref.gunma.jp/g-info/index.php

茶色いものばかりで何とも地味な絵になりますが。。。
群馬と言ったら焼きまんじゅう!

焼きまんじゅう

上毛カルタにも出てくる名産品こんにゃく!

こんにゃく

意外と知られていない上州名物もつ煮!

もつ煮

その他、群馬県産キャベツや地鶏の炭火焼などをいただきました!
そして〆はモックさんが炊いてくださった白飯!

「雪ほたか」の白米!

米はもちろん群馬のお米で「雪ほたか」という銘柄です。
素晴らしい炊き具合でみなさん大喜び!
Tさんからの差し入れの鰹子カツコと呼びます)がご飯のおともにぴったりでした!
(食べるのに夢中になりすぎて写真を撮り忘れたことを激しく後悔しています)

※余談ですが、今回ぐんまちゃん家に行った時、「雪ほたか」という銘柄のお米の試食販売の為、
はるばる群馬から試食用のおにぎりを握りに来ているおばちゃまいらしていました。
ローカルトークに花が咲き同郷のよしみでか、おにぎりを2つと梅干しまでいただいてしまいました。
お陰でお昼ご飯代が浮きました(笑)

そんなわけで、今回も皆さんと美味しく楽しくテーブルを囲むことが出来ました!
役目を果たして軽くなったスーツケースを転がし、一人帰路に就きました。

軽くなったスーツケース

次回はどんな日本酒と出会えるのかな~!楽しみです!!

クラブのマーク
蔵部(くらぶ)
日本酒の知識を深めながら、美味しいお酒を嗜むクラブ活動です。自力で帰れる程度に楽しむのがルールです。毎回テーマ担当を選出し、好きなテーマを設定して語るワークショップ形式で活動しています。