2011年11月18日

初めての有給休暇

今度Iさんは入社して初めての有給休暇を取るそうです。

 

ちょっと前まで半袖だったのに、もう街にはクリスマスの気配すら漂う早さ。気がつけば2月に入社したIさんも10ヶ月目に突入なのです。あらためて振り返ってみると入社したばかりの頃に比べ、どんどんたくましくなっています。

 

Iさんの変化のといえば、なんといっても語彙や発言内容が増えたことだと思います。いつも朝礼では、各自が週の目標を話したり、前日の出来事を話したりするのですが、Iさんは何ヶ月もの間、同じような内容を同じ言い方で話していました。

それが最近になって、表現が豊かになってきました。まるで何かのつかえがとれたかのようです。「おお!」と思わず笑顔で歓声をあげる仲間もいます。

 

他の社員たちも変わってきました。

障がい者インターンの話が出始めたとき、多くの社員が口にするのは心配や不安の声でした。

「面倒はだれが見るのか」

「何かあったらどうするのか」

「自分の仕事が増えるのではないか」

まだ誰も来ていないし何も起きていないのに、「できないのでは」という不安をもとに話し合い、意見をぶつけ、対策を考えていました。

 

現在、大きな問題もなく解体作業が進んでいるのは、このように社員同士の話し合いがあったからなのは間違いありません。

しかし、それらの不安の多くは、いままで知的障がいのある人との接点がなく知らなかったせいでもありました。

 

いま、どの社員に尋ねてみても、知的障がいのある人と働くことについて、当初とはまったく違う考えがあるはずです。「できない」を前提に話す社員はいないでしょう。

 

なぜなら、私たちは何人もの知的障がいのある方と一緒に働く機会を得て、「できる」ということを知ることができたからです。これは私たちが得た大きな収穫の一つです。

 

私たちは毎日ちょっとずつ変化し成長しているのに、毎日会っているとなかなか気づきにくいものです。たまにはこうやって振り返ってみるのもいいことですね。