愛知県長久手市に本社を置く、高圧受電設備・分電盤などの電路資材や、電子機器を収納するキャビネットやラックなどの情報通信関連資材を製造、販売する日東工業株式会社さま。DXの推進により、当日受注・当日出荷を可能にするなど、ビジネスの根幹をITが支えています。しかし、DXの進展に伴いシステムが大規模化したことで、新たな課題が浮上しました。従来のメーカー保守では、増加し続ける機器の更新(リプレイス)に対応することが難しくなってきたのです。
そこで、ゲットイットの第三者保守サービスを導入し、システムの安定稼働とライフサイクル管理の最適化を実現しました。DX統括部の水野さま、川治さま、加藤さまに、第三者保守サービス導入の経緯や効果についてお話を伺いました。
サーバー・ストレージ等
- DXの進展によりシステムが大規模化し、メーカー保守切れに伴う5~6年ごとのリプレイスが困難になった
- クラウド基盤移行プロジェクトの遅延により、一部機器の保守が切れるリスクが発生した
- 機器の保守切れ後に重大な障害が発生した場合、生産ラインが停止するリスクがあった
- カスタマイズ性の高い保守サービスにより、メーカー保守と同等のスキームを継続
- 保守継続による生産停止リスクの回避と、機器のライフサイクルに対するコントロールを強化
- 社員の働き方改革の一助となった
お話を伺った方
川治 慎吾さま
(写真中央)日東工業株式会社 執行役員DX統括部長
水野 泰宏さま
(写真右側)日東工業株式会社 DX統括部ICTインフラ戦略室ICTインフラ課長
加藤 力也さま
DXを推進し、ビジネスの根幹をITが支える日東工業。システムの大規模化に伴い、従来の保守体制に課題が発生
ーーまず、御社の事業内容とDX統括部の役割について教えて頂けますか。
水野さま 当社は、“地球の未来に「信頼と安全」を届ける”を長期ビジョンに掲げ、高圧受電設備・分電盤などの電路資材や、電子機器を収納するキャビネットやラックなどの情報通信関連資材を製造、販売しています。当社のキャッチフレーズは「コネクト」で、電気や情報を皆さまの暮らしや企業にコネクトするという意味を込めています。サステナビリティにも注力しており、美しい地球を次世代へつなぐことに貢献する環境に配慮した製品づくりを進めています。
当社の強みの一つは、製品の当日受注・当日出荷が可能なことです。お客さま仕様の製品であっても、午前中にWebで受注すれば自動で設計・製造され、当日夕方には出荷できる体制を整えています。この仕組みを支えているのが、私たちDX統括部です。
DX統括部は「アプリ開発部隊」、「インフラ部隊」、「DX推進部隊」の3つの部隊で構成されています。アプリ開発部隊は、営業システムや設計システム、生産管理システムなどを自社開発しています。インフラ部隊はサーバー上で稼働する150以上のサービスを支えており、DX推進部隊は新しい技術やプロジェクトを推進しています。
ーー第三者保守の導入を検討されたきっかけを教えて頂けますか。
川治さま 当社は現在、国内グループ会社のサーバーやネットワーク、セキュリティを一つにまとめる大規模な「グループICTインフラ基盤構築プロジェクト」を進めています。このプロジェクトは2019年から企画・提案を始め、2020年からスタートしました。プロジェクトの主な目的は、国内グループ会社のIT資産を一箇所に集約し、セキュリティとBCP(事業継続計画)を強化することです。
現在は国内グループ会社のサーバー移設を進めており、将来的には海外のグループ会社も同様に集約する予定です。150台のサーバーを移設する作業がありますが、初めての環境ということもあり、様々なトラブルが重なり予定通りに進まない事態が発生しました。一部のオンプレミスサーバーの保守期限が切れそうになり、どうすべきかを悩んでいました。
加藤さま 当社のビジネスは、ITシステムなしでは成り立ちません。当社ITシステムが止まるとビジネス自体が停止してしまうため安定稼働が絶対条件です。そのため、機器の保守切れは大きなリスクとなります。一方で、DXの進展に伴いシステムが大規模化し、5~6年というメーカー保守の期限が切れるタイミングで一斉にリプレイスすることが、コスト面でも運用面でも難しくなってきていました。
第三者保守の導入で、柔軟なライフサイクル管理とメーカー保守同等の保守体制を実現
ーーそのような課題を抱える中、第三者保守の導入を決められた理由を教えてください。
川治さま 長年お付き合いのあるビジネスパートナーに相談したところ、第三者保守を紹介して頂きました。正直、第三者保守は初めての経験だったので、最初は不安もありました。しかし、信頼できるパートナーからの紹介だったので、一度話を聞いてみることにしたのです。
水野さま ソフトウェアの保守は既存のビジネスパートナーさんが対応してくれるため、ハードウェアの保守継続が課題でしたが、ゲットイットさんの第三者保守を活用することで、「安心できる保守体制」を実現できることが分かりました。カスタマイズ可能な保守サービスを提供していることも、ゲットイットさんを選んだ理由の一つです。
加藤さま 障害発生時の対応フローは、これまでのメーカー保守と同等のスキームになるように建付けて頂きました。機器に障害が発生した際、通知先が1人では連絡を受け取れない可能性もあるため、当社の誰かに必ず連絡が届く仕組みを用意してもらいました。柔軟な対応に感謝しています。
ーー第三者保守を導入されて、どのような効果がありましたか?
川治さま システム停止のリスクを回避できたことが最大の効果です。機器の保守が切れてしまうと障害発生時に迅速な対応ができず、最悪の場合、ビジネスが停止する可能性があります。第三者保守の導入により、そのリスクを回避できました。
また、「機器のライフサイクルに対するコントロール」が強化されたことも大きな効果です。これまでは5~6年で機器を更新していましたが、第三者保守のおかげでもう少し長く使うことができます。第三者保守を活用することで、メーカー保守期限に縛られることなく、自社の管理下でライフサイクルをコントロールできるようになりました。
水野さま コスト面の効果はまだ具体的な数字として現れていませんが、お金に換えられない安心感は非常に大きいです。将来的には、コスト削減につながることも期待しています。また、当社の「働き方改革」にも寄与していると感じています。
例えば、アプリ開発部隊、インフラ部隊は常に厳しい納期に追われています。第三者保守を活用することで、より柔軟な働き方ができるようになりつつあります。
今後の展望:第三者保守の活用とDX推進による会社の競争力強化
ーー今後の展望について教えてください。第三者保守の活用を広げていく予定はありますか。
川治さま 今後は、機器のライフサイクル管理をより柔軟に行っていく予定です。その手段として、第三者保守サービスを活用していきます。これまでは5~6年ごとに一斉更新を行っていましたが、今後は機器ごとに最適な運用期間を個別に設定します。
この新しいアプローチによって、コスト削減だけでなく、環境負荷の軽減にも貢献できると期待しています。また、IT機器のリユースにも積極的に取り組み、より持続可能な運用体制を目指していきます。
水野さま 今後、DX推進にさらに力を入れていきます。DXを通じて、会社の競争力を高めることが私たちの大きな目標だからです。そのためには、ITインフラの安定稼働が欠かせません。第三者保守サービスを活用することでインフラ部門の負担を軽減しつつ、より効率的な運用ができると期待しています。
DXを推進する上で重要なのは、具体的な推進施策、適切な組織体制、そして人材育成です。特に人材育成に関しては、ITスキルの向上だけでなく、エンドユーザーの要件を適切に定義する能力の強化に注力しています。第三者保守の活用でインフラ部隊の業務負荷が軽減できれば、こういった人材育成にも十分な時間を割けるようになり、結果として会社全体の競争力向上につながると考えています。
ーー最後に、ゲットイットへの期待や要望があればお聞かせください。
加藤さま 機器のライフサイクル管理の面で、予定通りに更新できない場合のスポット対応や事前に保守契約を結ぶなど、状況に応じた柔軟な対応をお願いできればと思います。また、機器の長期利用など、コスト削減につながる提案を期待しています。
水野さま DXを推進していく中で、インフラ部門の負担は増える一方です。ゲットイットさんには私たちのDX推進を陰で支える重要なパートナーとして、今後もサポート頂けたらと思います。
ーー本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
組織名 | 日東工業株式会社 |
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主な事業内容 | 電盤・キャビネットを中心とした電気機械器具の製造・販売 など |
創立 | 1948年11月24日 |
URL | https://www.nito.co.jp/ |
※ページ上の内容は2024年6月時点の情報です。
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