2020年07月28日
「満員電車“痛勤”禁止宣言」導入から1ヵ月 出社勤務する社員の約40%が「働きやすさ」の向上を実感

満員電車“痛勤”禁止宣言 ~コロナリスク低減、長期的には「働き方の多様性」を目指す~

6月8日に「満員電車“痛勤”禁止宣言」を発表

株式会社ゲットイットでは、現在、本社勤務の社員を中心として社員の約半数(49.4%)がリモートワークを行っています。しかし残りの半数(50.6%)は、保守/検査/入出荷業務など出社が不可欠な業務に携わっており、リモートワーク化することはできないため、時差通勤や時短勤務の導入、手当を支給しての事業所近隣への引越しの奨励などを行って参りました。

これら、コロナ禍への対応をきっかけとしてスタートした「リモートワーク」「時差通勤」「時短勤務」「職住近接」などの新しい働き方を、コロナ如何に関わらずポジティブに捉えなおし、働き方の多様性をもたらすものとしてさらに推進していくため、ゲットイットでは6月8日に「満員電車“痛勤”禁止宣言」を発表いたしました。
https://www.get-it.ne.jp/index.php/archives/14733

 

① 2019年11月~2020年7月8日にかけての、出勤/退勤時間、混雑率などの変遷

コロナ禍以前(2019年11月頃)
昨年度の時点において、弊社ではリモートワークは既に導入済みではあったものの、「週1日まで」という上限があり、web担当や会計担当など、一部の社員が活用するのみの状態でした。

基本的には全社員が、築地本社もしくは勝どきZETTA(検査場兼倉庫施設)へ出社して勤務を行っており、勤務時間に合わせて、大半の社員が9:00に出社していました。電車やその他の公共交通機関(※以下、電車)を使用する社員は全体の84.1%で、それらの社員の内の71.7%が混雑率200%以上の電車での出勤を行っており、30.2%が通勤について「大きなストレス」を感じていました。

 

2020年6月1日前後
コロナ禍への対応として、築地本社勤務の社員については、2月25日より週5日のリモートワーク奨励がスタート。5月25日の緊急事態宣言の解除を受け、With/Afterコロナ体制として、以後も無期限でのリモートワーク体制を維持していくこととなりました。一方、出社が不可欠な業務にあたる施設勤務の社員については、4月7日~5月1日のホテル宿泊体制をとっての勤務継続の期間を経て、5月7日からはオフピーク通勤を実現させるため、就業特例として時差通勤および時短勤務が導入されました。

このように、コロナ罹患リスク低減のために新たな制度を導入した結果、6月頃には、電車通勤を行う社員は全体の28.2%まで減少。電車で出勤する社員の内、混雑率200%以上の電車に乗る社員は0名となった他、電車で出勤する社員の大半(75.0%)が混雑率100%以下の比較的ゆとりのある電車での出勤をするようになりました。また、通勤に「大きなストレス」を感じると回答した社員は10.0%まで減少しました。

 

2020年7月8日前後
6月8日に、コロナ感染リスクの低減と、長期的には「働き方の多様性」を目指すべく、「満員電車“痛勤”禁止宣言」を発表。働き方の多様性推進に向けて、各社員/各部署での試行錯誤が始まりました。

宣言から1ヵ月経過した7月8日前後の時点においては、電車通勤を行う社員は全体の36.4%。混雑率200%以上の電車に乗る社員は僅か1名、電車で出勤する社員の半数近く(42.9%)が混雑率150%の電車を使用しており、通勤に「大きなストレス」を感じる社員は17.9%となっています。

 

公共交通機関を使用する社員の割合
公共交通機関を使用する社員の出勤/退勤時間の分布
▲リモートワーク化を進めたことで、出社勤務する社員の絶対数が減った他、時差通勤・時短勤務などの就業特例によりオフピーク通勤を推進したことで、社員の出退勤時間が以前よりも分散しました。

 

公共交通機関を使用する社員の通勤ストレス
公共交通機関を使用する社員の出勤/退勤時の混雑率
▲コロナ禍により、東京都全体での電車通勤者が減少し混雑率が緩和されたことに加え、オフピーク通勤で出退勤時間を分散化させたことで、現在、出退勤時において混雑率250%の電車に乗車しなければならない社員数は0名となっています。

 

社員間の満員電車についての基準を合わせるため、国土交通省による「混雑率の目安」を活用
▲社員間の満員電車についての基準を合わせるため、国土交通省による「混雑率の目安」を活用。
国土交通省ホームページ「三大都市圏で輸送人員は微増、東京圏混雑率は横ばい」(https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo04_hh_000077.html)内、添付資料「資料1:三大都市圏の主要区間の平均混雑率の推移(2018) 」より引用

 

② 「満員電車“痛勤”禁止宣言」の評価

社員アンケートの結果、出社勤務を行っている社員のうち「満員電車“痛勤”禁止宣言(6月8日)」導入前後を比較した場合、自身の「働きやすさ」が多少なりとも向上したと答えた社員は41.5%となりました。自身の「生産性」については、多少なりとも向上したと答えた社員は26.8%、所属するチーム/ユニット(部署)等の「生産性」について多少なりとも向上したと答えた社員は35.0%でした。

なお、「働きやすさ」については、4.9%の社員が「少し働きにくくなった」と回答しており、緊急事態宣言が解除されて電車の混雑率が再び上昇傾向にある中、乗車する電車の混雑率を気にしなければならないことが「働きにくさ」として感じられているようです。現在、ゲットイットでは社員が出退勤の時間を変えながら、様々な時間帯における混雑率を記録するという取組みを行っていますが、これについても、「出退勤時に車両の混雑率を記録しないといけないのが面倒」といった意見が聞かれました。

大多数の社員は「満員電車“痛勤”禁止宣言」前後で、「働きやすさ」や「生産性」は「あまり変わらない」と回答しています。これは、宣言が発表された段階においては、すでに時差通勤や時短勤務などの就業特例は導入済みであったためだと思われます。宣言前の段階において、すでに多くの社員がオフピーク通勤を行っていたため、宣言前後では特に変化のなかった社員が大多数だったようです。

 

一方、「満員電車“痛勤”禁止宣言」をプラスに評価する声としては、以下のようなものがありました。

◆「満員電車で通勤した際、一日のスタートが苛立ちから始まることが多かったが今はポジティブな気持ちで業務を開始できるので仕事が捗ります。」

◆「社員からは言い出しにくいことなので会社から提案があるのはよいと思う。“痛勤”が禁止なのであり「通勤」自体が禁止されているわけではないので言葉としてもよいと思う。」

◆「出勤時間がばらばらの為、業務の引継ぎなどをしっかりするようになった。また、物流全体の労働時間も7:00~18:00と伸びたので、できることの幅は広がったのかなと思います。」

◆「混んでいる電車に乗らなくていいのでストレスが減りました。」

 

「満員電車“痛勤”禁止宣言(6月8日)」導入にともなう、出勤社員が感じる「働きやすさ」「生産性」の変化

 

③ 通勤手段の多様化:社員3名が事業所近隣へ引越し、自転車通勤する社員も増加

ゲットイットでは、職住近接を奨励するために、「引越し補助手当」として、施設勤務の社員が事業所(勝どきZETTA)の徒歩・自転車圏内へ6月末までに引越しを行った場合に、300,000円、もしくは月額基本給相当額のどちらか多い方を支給する制度を策定しました。

結果、社員3名が引越しを行い、電車通勤をやめて事業所近隣より徒歩通勤を行うようになりました。

また、社員がそれぞれの働き方を見直し、変化に必要な投資を行えるよう、全社員に対して「新しい働き方促進手当」として一律50,000円を支給。社員の一部は、手当を使って自転車を購入するなどしており、昨年度は4名であった自転車通勤の社員が7名に増加。こうした取り組みは「NHKニュースシブ5時」(2020年6月16日放送)でも取り上げられるなど、メディアの注目を集めました。

https://www.get-it.ne.jp/index.php/archives/14659

 

④ リモートワーク社員と出社勤務社員が混在:「不公平感」を克服するために

ゲットイットでは現在、主にリモートワークで勤務する社員と、出社して勤務する社員が、ほぼ半々の状態となっています。出社を余儀なくされている社員が、望まない満員電車の“痛勤”を強いられることのないよう、「満員電車“痛勤”禁止宣言」は発表されました。

7月上旬に実施した社員アンケートの結果、リモートワーク勤務社員と出社勤務社員の混在について、出社勤務社員の39.3%が多少なりとも「不公平感」を感じると回答していることから、こうした「不公平感」をいかに解消していくかが今後の課題となっています。

出社勤務の社員の働き方については、今夏にフレックスタイム制への移行を予定している他、社員からも広くアイデアを募集しています。「週休3日制」など、既に様々な案が浮上しており、今後これらを実現させていくことで、最終的には、社員全員が、各々の勤務形態に納得し、肯定し合えるような職場環境を目指します。

 

「リモートワークと出社勤務が混在する会社では、「不公平だ」という意見が聞かれることがあります。現在、あなたは「不公平だ」と感じることはありますか?

 

「不公平だと少し感じる(仕方ないけど・モヤモヤ)」と答えた社員の主なコメント

◆「体調が悪い時に平等じゃないと感じた。」

◆「商品を扱う業務上出社勤務は仕方ないと考えている。また、リモートワークもコロナの影響で半ばやらざるを得なかったのでそこは納得しているが、これが『普通』になった時、出社する人と契約上同じ労働条件でいいのかと思うところはある。」

◆「社員ごとの業務が違うため、自分が出社することとリモートワークになる社員がいることについては納得していたが、通勤時間が無いのとリモートによる仕事の環境は少し羨ましいと思った。」

 

代表廣田からの一言

「経営に参加する」ゲットイットではこの言葉を大切にしています。会社の制度や仕組みに対して、当事者であるメンバーが互いの意見を交換し、試行錯誤しながら働きやすい環境を創り上げていく。今回のアンケートによって、痛勤や働き方に対してそれぞれが感じている事が可視化されました。この結果を元に、豊かさをより感じられる会社を目指して全員で文化を創り上げていきたいと思います。

 

本件に関するプレスお問い合わせ先
担当者 :川澄
メール :
電話番号:03-5166-0900

 


注:本プレスリリースにおける円グラフの%のまるめ方について
円グラフ内の各項目の%は小数点第2位を四捨五入して求められた数値を記載しています。なお、各%を合計した数値が100.0%とならない場合には、次の手順に従って数値の調整を行っています。①「その他」「分からない」など重要度の低いカテゴリーが存在する場合には当該カテゴリーで小数点の調整を行う。②上記のようなカテゴリーがない場合には、誤差が相対的に最小となるよう、最も大きな数値を有するカテゴリーで調整を行う。